シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。昨日はちょっと風邪気味でお休みをしました。MERSではありません。(笑)今日は、浅間山が噴火して、なんだかあちらこちらで噴火・・・こんな日本に原発が似合うはずがありません。
世界中、自然も政治も経済もごたごたしていますね、混迷の時代になったということでしょうか。
混迷せずに確かな実力はどこでも必ず認められます。
「テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞」授賞式が、昨日行われました。
残念ながら、大賞は逃しましたが、受賞者お三方のうち、優秀賞お二人がシナリオ・センターの方でした。やったあ!!
第15回テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞優秀賞は「ぼくらがたたかためのうた」研修科の石川俊介さん、「デッドマン・ストーキング」研修科修了の馬場悠希さん。おめでとうございます!!!
石川俊介さん「ぼくらがたたかうためのうた」
かって子供向けのヒーローソングでソロデビューしたことがある貴信は、過去を封印して音楽教室のボーカル科の講師として遣り甲斐を感じて働いている。そこへ、天才ドラム少年響が現われる。響は強引に貴信をバンド活動に引き込み、留学生リカルドなどのバンドメンバーとともに貴信のボーカルでコンテストに出ようとする。曲は、なんと封印したヒーローソングだった。実は響は貴信の別れた息子。
貴信に歌って欲しかったのだ。過去を恥じる貴信に遠い異国まで貴信の歌が届き、それがきっかけで自分は今ここにいると話すリカルド。
ようやく決意したが、当日コンテスト会場に行ってみると、コンテストではなく、元妻と新しい夫の結婚パーティの会場だった。再婚を止めたい響きの企みだったことを知った貴信は、息子に自らの想いを話し、二人はわかり合うのだった。
馬場悠希さん「デッドマン・ストーキング」
マイペースなカメラマン黄泉川歩とその妻あかりは、新婚旅行を間近に控え、幸福の絶頂の時に歩が事故に巻き込まれ死んでしまう。
天国にいった歩は、快適な天国の暮らしに、妻のあかりが「苦しみのない世界があればよいのに」と言っていたことを思い出し、天国に連れて来ようと思う。
あかりに働きかけるのだが、怨霊にしか見えず怖がらせるばかりで、むしろ他の男神尾へあかりの心は行ってしまう。
ところが神尾は保険金目当て、殺されそうになるあかりは、歩のもとへ行きたいと抵抗をしない。抵抗をしないあかりをみて「つらいことや苦しいことがあるからこそ、人は心から幸せを実感できるのだ」と知った歩は、あかりを下界にもどす。少しだけ成長した歩は天国からあかりの幸せを願うのだった。
簡単にあらすじを記しましたが、大賞作品は、こん睡状態の少女たちが意識の中で、病院を闊歩し、友情や恋を体験しているというお話で、3作品に共通しているのは、アイデアの奇抜さ。
審査員の岡田惠和さん、井上由美子さん、両沢和幸さんのお三方は、アイデアがすばらしい、大賞、優秀賞の差は賞金ほどない(笑)と審査表。
お三方とも、ここからが出発点でいいプロデューサー、ディレクターだけでなく、心ポキッとなるけれど悪いPやDにも出会って(笑)成長してほしいとエールを贈ってくださいました。
先輩の岡田さんは「設定やアイデアがすてき。でも、ありがちなところに集約してしまう。せっかくの自分だけのアイデアを信じて愛して、貫くようにしてほしい」とアドバイスしてくださいました。
7月7日のミソ帳クラブは、岡田惠和さんの登場です。貴重なお話をお聴きできることでしょう。もはや残席は少ないそうなので、お早めにお申し込みを。