シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。今日は梅雨らしい一日です。
昨日、国会前の安保法案反対デモに瀬戸内寂聴さんが車椅子で参加されたというニュースが大きく取り上げられていました。
93歳というお歳で満身創痍の寂聴さんが「最近の状況は寝ていられないほど心を痛めていた。どうせ死ぬなら、本当に怖いことが起きているぞと申し出て死にたい」と。
寂聴さんは、「想像力は他人を想う心」といつもおっしゃっています。
想像力の無い人間は、他人の痛みもわかりません。想像がつかないのであれば、体験するしかありません。まずは最前線に首相からお出かけくださいませ。
想像力のある人は奇跡も起こすことができるのです。
「キャットショップあいざわの奇跡」(リンダブックス刊)出身ライター梅原満知子さん。
ベストセラー「99の涙」他短編小説や映画のノベライズなど数々手がけてきましたが、今回初のオリジナル長編小説です。
主人公の逢沢聡史は、小学校2年生の時に母に捨てられ、母の友達カナエと猫に育てられる。どこに行っても猫に好かれる聡史は、キャットショップを開く。
そのキャットショップの猫たちが、大切な人を亡くした人たちに様々な奇跡を起こします。心がユルユルして温かくなるとても心優しい物語です。
犬派の私も、猫を飼いたくなりました。
「超高速!参勤交代」でアカデミー賞最優秀脚本賞を獲られた土橋章宏さんの小説「幕末まらそん侍」(ハルキ文庫刊行)が文庫化になりました。
その上、なんとなんと映画化決定とのお知らせがきました。
やりましたね、土橋さん!
「幕末まらそん侍」マラソンのことを「とおあし」といって安中藩では、毎年行われていた行事なのです。藩士のそれぞれがそれぞれの想いを、使命を持ってとおあしに臨む・・・藩士のそれどれの思惑に、いろいろ重なって・・・ともかく面白いです。
この「とおあし」、土橋さんと同じ参勤交代を題材に書かれた浅田次郎さんの小説「一路」にも出てくるんですよ。
浅田次郎さんと土橋さんが、同じ歴史の事柄を違う角度の切り口で描かれている、どちらも読んでいただきたいですね。
昔もマラソンしていたなんて、知っていました?
私は、この本を読むまで知りませんでした。
マラソン人気の昨今、小説はもちろんのこと、映画化になると「超高速!参勤交代」に負けないヒット作になりそうです。楽しみに待っていましょう。
しかし・・・なぜお上になると想像力が欠如するのでしょうね。