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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

キャラクターの魅力って?

シナリオ・センター代表の小林です。東京と神奈川は、8月ではなく、1ヶ月早く7月の今がお盆です。
13日には新井をお迎えに行ってまいりました。なので、16日までは、シナリオ・センターで皆さんの学ばれている様子をそばでにこにこしながら見ていることでしょう。気配を感じたら隣にいます。(笑)

分解日記

前代未聞のヒーローが生まれました。出身ライターの大山淳子さんの新刊本です。
「分解日記~光二郎備忘ファイル」(講談社刊)
何が前代未聞かというと、若干認知症気味(?)の75歳のおじいさん光二郎さんが主役なんです。
光二郎さんは、元高校の理科の教師なのですが、のめり込むと周りが見えなくなる性格。分解が大好きで、これはと思うと、高価なものだろうが、大事なものだろうが分解してしまいます。
一見壊したかと思うのですが、見事に直し、美しく磨き込みます。
とはいえ、周りには迷惑な人物であります。自分の頭の回転と言葉の早さがリンクしないので、ほとんど早口で意味不明なことを言います。
そんなときは、二卵性双生児のちょっと出来の悪い孫かけるクンが唯一の通訳。
かけるクンには、二卵性双生児の妹出来のいいひかりちゃんがいていつも比較されます。国立大で顔も能力も全く違う。かけるクンは、2浪中で何をすればいいのかわからないふわふわ状態の男の子。
光二郎さんは奥さんを亡くし、息子家族と住んでいます。この銀行員の息子も五七五で表現したがる嫁もなかなかのキャラクター。

ある日、嫁に怒られて家出した光二郎さんは、公園のベンチでうたたねをしていたら、手には鎌が・・・なんと殺人犯にされてしまいます。
そこからお話しが始まるのですが、シルバー人材センターの面々、刑事コンビ、喫茶店、犯人・・・まあ、濃いキャラクターがどんどん登場して、あれよあれよと読み終わってしまいました。 

さすが大山さん。息もつかさず読み進めさせてしまう筆力にはいつも感心してしまいます。
シナリオも描かれている大山さんだけに、とても映像的です。
主役光二郎さんは、普通では主人公にならない75歳の老人をあえて持ってきているのですが、ところが75歳の老人がひどく魅力的なのです。
こんな小説は今までなかったと思いますが、これをドラマ化したら今までにない面白いドラマになると思うのです。

21世紀になって、往年のスターの方々もだいぶお年を召してきました。この大スター、名優の方々を使わない法はありません。
おじいさんを尊敬していて、事件解決のために助太刀する孫たちは、男の子と女の子、今人気の若手スターを使えば、F1層から無限大(60歳以上は・・・)まで視聴者の心をつかむこと請け合いです。
テレビ東京で人気の「三匹のおっさん」だって高視聴率でしたもの。 

大山さん、小説だけでなくシナリオも書いてくださいね。 

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