シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。台風が接近中です。気をつけてください。
昨日、「国民の理解が進んでいるわけではない」と認めながら特別委員会で強行採決し、理解されていないと知りながら、今日は衆議院で安保法案を可決しました。
他人の話を聴けない人は、国民不在などどこ吹く風で成立に向って突っ走っていきます。迷走台風を前に、私たちはなにもできないのでしょうか。
新井一は、戦争中に『事変惑乱罪』で捕まり、巣鴨に拘留されました。
その頃魚河岸新聞に勤めていた新井が、軍部の魚の配給不正、横流しを公表したため捕まったのです。そして、時の政府は、裁判になると公になってまずいということで、新井を戦地に送ります。
お上の不正を暴くと事変惑乱になり、罪に問われ、なにげなく死地に追いやられるのです。
そんな時代がまた再びやってくるのでしょうか。もうやってきているのかもしれません。
新井一はこんな時代を二度と来させないために、シナリオ・センターを作りました。
シナリオを書くことによって、他人への想像力、考える力がつく。大勢に流されることなく自分の頭で考える力、自分とは異なるキャラクターのアクション・リアクションを想像する力が、シナリオによって身につくと考えるからです。
でも、シナリオを書くときは、単純に楽しんでください。
一生懸命考えなくっちゃ・・・ではなくていいんです。
シナリオを書いていれば、想像力も、考え方も自然と身につくものですから。
岡田惠和さんは、先日のミソ帳倶楽部で、「ドラマは対立を書くのだけれど、セコンド(作者)はどちら側にも立ってはいけない、50%50%の正義を書いていかなくては対立にならない」
「嘘でも、つまらなくても書く、書くことで色々なものがでてくる」とおっしゃっていました。
こうしたシナリオを書くという作業こそが、想像力・考える力をつけてくれるのです。
そろそろ「新井一賞」の締切も間近です。
課題「うまれる」でファーストシーン20枚。
審査員は、ジェームス三木さん・柏原寛司さん・清水有生さん・岡田惠和さん・森治美さんという大先輩たちが、ご自分の経験を踏まえて審査してくださいます。
岡田惠和さん「ドラマの冒頭20枚はどう興味を持たせるか、登場人物の個性が出てなくてはだめ」
内館牧子さん「最初にストーリーを作るのは間違い。ストーリーに人間を当てはめてしまうから。まずはキャラクターを作る」
森下佳子さん「キャラクターが決まると話は簡単。書きたいシーンに向かって走り出す」
山本むつみさん「書き始めたら、最後まで書き通す」
ジェームス三木さん「常識そんなものはない。世の中いろんなことが起きますから、それを自分の見方で考える」
ヒントになりましたか。たくさんの応募をお待ちしています。