シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。東京は蒸し暑いですがお天気になりました。四国、鳥取、淡路島、和歌山の友人たちに心配で連絡をしたところ、どこも案ずるより大したことなかったと拍子抜けの様子。なにごともなくてよかったです。
なにごとだと思うのは、急に国立競技場の設計を白紙に戻すそうで、ま、いいことですからよかったのですけれど、白紙に戻したらできないという話は嘘?・・・いつも言っていることが一貫していない、主人公には不適切なキャラクターですね。
今日、出身ライターの柏原寛司さんが、富士山河口湖映画祭で入選したシナリオの本打ちにいらしてくださいました。
丁寧な本打ちに、グランプリ受賞者の綿貫さんはとてもありがたいとおっしゃっていました。
もう少しで、決定稿になるようで、10月には撮影にはいるそうです。完成が楽しみです。
柏原さんは、よく新井一の映画ポスターをオークションで落としてくださって、プレゼントしてくださいます。
今、センターの正面に貼ってある「駅前学園」のポスターも柏原さんからいただいたものです。
本当にいつもありがとうございます。
で、今日またいただきものをしたのですが、これがなんと「落語野郎 大泥棒(1967)の台本、決定稿。
新井が書いた台本は、放送作家協会のアーカイブス事業に寄付してしまって、手元に全くないので、久しぶりの対面になんだかじーんとしちゃいました。
1967年の作品ですから、歌丸師匠ですら、鳶の若い者松です。48年前ですもの、歌丸師匠はおいくつでいらっしゃったのでしょうか・・・真打にはなっていらしたのかなあ・・・?
この「落語野郎」シリーズは、大馬鹿時代・大脱線・大爆笑の4本が創られたようですが、全てが落語ネタです。
出演者も当時の大人気落語家、漫才の方々のオールスターキャスト。なんだか出演者のお名前をみているだけでも楽しくなっちゃいます。
前田編集長「一度も新井先生のシナリオって載せたことがないから、シナリオ教室に載せたいですね」と。
で、「落語野郎 大泥棒」の台本を開けてびっくり。
冒頭のト書「『鐘ひとつ売れぬ日はなし江戸の春』なぞと申しまして、今日の両国あたりの盛り場は大変なにぎわいようです。」
と落語のまま・・・(笑)何しろ落語ですから、読むとその情景、キャラクターが浮かんできちゃいます。まさに落語を聞いているみたいに。
でも、受講生のみなさんが、こんなト書を書いたら、講師からすぐにNGがでちゃいます。基本とは全くかけ離れていますからね。
新井一はこの後、これじゃ基本的ではないと、「シナリオの基礎技術」を創ったのでしょうか。(笑)
でもね、これこそがプロの仕事なんですね。落語を知り尽くして、基本の映像表現を知っているからこそできる離れ技。
みなさんも、プロの技へとがんばりましょう。
新井一賞、8月3日締め切りです。