シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。今日もまた記録の更新を図っているようで、天の神様を恨みます。
神様に勝手を申し上げるようですが、もう少し湿度をなんとかしていただけると嬉しいのですが、神様!!日本中、酸欠の金魚のように、パクパクしています。
出身ライターの野坂律子さんが、文庫版オリジナル小説を出されました。
「手芸女(しゅげじょ)」(TO文庫刊)
敬愛する先輩教師のためにボスゴリとあだ名される体育会系新米教師が手芸部の臨時顧問になって、手芸女たちに翻弄されながら、教師として成長していく物語です。
主人公の大山健太郎は、2メートル近い巨漢で、ゴリラ顔の上、おっちょこちょいで大声の持ち主。大学でラグビーをやり、この春都立高校の体育教師として赴任してきました。
手芸部の顧問三河先生は、指導教員として、彼が起こす大小様々トラブルも一緒に解決してくれていたのだが、胃潰瘍で入院を余儀なくされ、代わりに手芸部の顧問を依頼されます。
健太郎は、敬愛する三河先生のため頑張ろうとするが、文化祭を前に手芸部は伝統派とファッション派の二手に分かれて対立して、口もきかない部員たち。
小物を展示し販売しようとする伝統派の塔子、聡子、芽衣。ファッションショーをやろうとするファッション派のチカ、理子、まりな。
この対立をなんとかして、文化祭を成功させ、三河先生に喜んでもらおうと奔走する健太郎の汗だくの奮闘ぶりが笑いあり、涙ありで描かれています。
登場人物のキャラクターひとりひとりがすべて濃いので、感情移入して読んでいくことができます。
また、健太郎に不器用な手で刺繍に挑戦させることで、手芸の面白さを読者にも感じさせるとてもうまい構成で、手芸ブームも起こせそうです。
ドラマにしたら、ファッションショーやかわいらしい手芸小物など女性が好きなものがたくさん出てくるし、かわいい女子高生に、武骨だけど男らしい主人公。華やかで楽しいドラマになりそうなので、プロデューサーの皆さん、ドラマ化お勧めです。
来週10日月曜日から16日日曜日まで一週間、シナリオ・センターは夏休みとなります。
講座もゼミナールも通信講座もお休みですが、この期間は、ネタ探しや長編に挑戦するなど、ご自分のミソ帳を膨らませてください。
秋にはコンクールも目白押しですし、テレビ朝日21世紀新人シナリオ大賞は募集内容が全く変わりましたし、色々チェックですよ。
シナリオ・センターのミソ帳倶楽部は、8/28(金)漫画原作者の大石賢一さん、9/7(月)監督の林海象さん、9/28(月)脚本家の清水有生さんと、お話しをお聞きしたい方ばかり。こちらも夏のスケジュールに入れておいてください。
表参道シナリオ日記は、明日から夏休みに入ります。
しばらくお会いでいませんが、みなさん、くれぐれもご自愛の上、楽しい夏休みをお過ごしください。