シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。忙しさがハンパでなく、夏休みのツケはここにきたかと・・・。秋を間近に新たなお仕事の打ち合わせが多く、とても嬉しい忙しさなので文句なんて言いませんけど。(笑)
世の中は今、戦後70年、安倍政権のもと憲法問題で揺れています。
こんなときだからこそ、是非見ていただきたいお芝居があります。
ジェームス三木さんが書かれた「真珠の首飾り」
このお芝居は1946年日本国憲法誕生の舞台裏を描いた物語です。
「憲法改正の是非を問う前に、今の日本憲法が、誰の手でどのように創られたたかを、みんなに知らせたい」とジェームス三木さん。
1998年の初演の時に観劇させていただきましたが、女性の権利条項を起草したベアテ・シロタ・ゴードンさんを軸に、草案作りに立ち向かったGHQ民政局の人々の葛藤と論議を克明に描いて、本当に感動的でした。
このお芝居で、憲法ってこうやってつくられたのだ、参政権もなかった女性の権利をアメリカ人のゴードンさんが戦いとってくれたのだということを知りました。
その後、ベアテ・シロタ・ゴードンさんのドキュメンタリーやニュースなどを見聞きするたびに、平和憲法は確かにアメリカ主体で創られたのですが、日本人の旧体制を打ち破ってくれた、為政者の都合の良い形でなく日本国民下々に必要な形で創られたものだということがわかりました。
考え方はそれぞれですが、国は国民のためにあるので、国民が国のためにあるのではないことだけは確かなことだと思うのです。
今回、青年劇場の製作部は、「1998年に初演されたものですが、草案作りに立ち向かったGHQ民政局の人々と同時に当時の日本政府、為政者たちが、いかに戦争の反省抜きに憲法改正に臨もうとしたかを描きだします。
また外国からみた日本人の姿、状況もつまびらかにしています。
今、戯曲を読み直したときに、そこで描かれた日本の姿と、今私たちが国会中継などで見る為政者の姿の共通性に驚かされるのです」とおっしゃっています。
9月11日から20日紀伊国屋ホール、24日大田区民プラザ、25日かめりあリリオホールで上演されます。
青年劇場チケットサービス03-3352-7200 ticket@seinengekijo.co.jp
お芝居だと難しいことをわかりやすく見せてくれるので、是非ともたくさんの方に見ていただきたいですね。
最近知ったことですが、憲法って、「99条 天皇または摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他公務員は、この憲法を尊重し、擁護する義務を負ふ」と書いてあるように、権力側は憲法を遵守する義務があり、国民は守らせる責任があるのだそうです。
これが立憲主義ということなんですね。
うーん、難しい。もう一度、ジェームス三木さんのお芝居を見て、色々調べたりしながら考えたいと思います。