シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。4時近くまで応援していたのにUSOPENの錦織選手、まさかの1回戦敗退で、とても残念。試合開始すぐからのぼせた顔をしていたし、体が重そうだった錦織選手、本調子じゃないなと思っていたけれど、格下に負けても言い訳しないところが好きです。
最近、言い訳と自分の言ったこと忘れる人があまりに多いので、特に素晴らしく感じちゃう。(笑)困ったことだ。
先週、ミソ帳倶楽部で、漫画原作者の大石賢一さんが、漫画原作の創り方をお話ししてくださいました。
開口一番、マンガのシナリオはストーリーを作るのではない、ストーリーは二の次、キャラクターを創ること。
キャラクターが出ていないものはダメ!と一刀両断。
なるほどと思ったのは、小説は、ストーリーは憶えていても登場人物の名前を憶えていることは少ない。
漫画は、名前=キャラクター。名前を覚えられない漫画は、ありえないのだそう。マンガと小説の大きな違いはここです。
ドラマも同じくキャラクターなのですが、ちょっと違うのは、マンガは主人公へと集約する、主人公だけが特別。脇役にあいつは違うと言わせるキャラにしなくてはいけないのだそうです。
ドラマの場合は、役者さんのイメージもありますが、マンガやアニメは、絵ですから、キャラクターが立っていなくては、みんな同じになっちゃいますからね。
大石さんは、スイスの赤十字本部から依頼されて、「人道危機の悲惨」をテーマにした「14歳の兵士 ザザ」という漫画原作を創られました。
紛争地域での人道危機の実態を漫画で伝えようという試みで、大石賢一さんが漫画原作づくりを通じて「ビジネス上の正義、人情」というテーマ一貫して追及しているところから依頼されました。
赤十字では、この漫画を世界に配布することを進めており、まず日本語で出版し、その後英語、フランス語、スワヒリ語などに翻訳してアフリカから配るということです。
これは、赤十字が、国際的に評価の高い日本の漫画技術なら、識字率の低い国へも人道危機の悲惨さを広く伝えられると考えたためです。
大石さんも、兵隊に守られてアフリカ・コンゴの紛争地域に取材に行き、少年兵士へインタビューをするなど初めての体験をされたそうです。
大石さんは、「ジャーナル・コミック」という表現方法を新たな漫画原作の分野として考えていらっしゃり、ご自分ひとりではなく、ジャーナル漫画原作者の必要性を感じて養成したいとおっしゃっています。
赤十字から漫画家ではなく、漫画原作者、ライターへの要請ということに、ちゃんとした漫画原作の必要性を感じられていらっしゃるのです。
シナリオ・センターでもお手伝いしようと思っています。
大石さんをNHKが密着取材しており、NHKBS1「国際報道」(22:00)で9月18日または28日に放映される予定だそうです。
正確な放映日は後日お知らせします。
興味のある方は、是非ご覧ください。