シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。まあ、コメントのだしようもないくらいの大雨が日本を覆い尽くして、今も尚、東北北海道へと進行中です。
東京は目の覚めるような青空、鱗雲が秋の風情を演出するなど心憎いほど穏やかな天候になりました。
こうして全く違う環境にいると、被害に合っている状況も、人々の暮らしも想像しにくいのですが、そこを想像してこそ、他人への想いを向けることができるのですね。
どれだけお上にいる立場の方々が、想像力を持っているのか・・・東北でわかってしまったけれど、今度こそは!とむなしい期待をしてしまいます。
お願いですから、一人一人の命の重みを知ってほしいと願います。
シナリオ・センターが、子供から大人(企業)までにお教えしているシナリオを使った研修の大本は、すべて新井一の「シナリオ基礎技術」です。
どうしたら、他人の気持ちに添うことができるか、「シナリオの基礎技術」が教えてくれます。
閑話休題。昨日、ダヴィッド社から増刷本が贈られてきました。1985年初版から30年経った今も、1年に1回か2回増刷している大ロングセラーになっています。
シナリオは登場人物すべての人を描かなければドラマは作れません。登場人物ひとりひとりがどんな人なのかを創らなければならないわけですね。
これが、ドラマにも研修にもすべての肝なのです。
相手を知るためには背景と事情を知ろうとしなければ、相手の想いをとらえることができません。
背景は過去とかその人の持っているもの、事情は今したいこととかこれからどうしようと思っているとかいわば希望とか将来とか・・・そこをつかめたら話も弾みます。「シナリオの基礎技術」で学ぶキャラクター、セリフ、構成etcetc、を使って研修ができるというわけです。
私は、ハウスメーカーの研修講師として、展示場のお客様の顔をして、営業マンの応対の様子を見に行ったことがあります。何が問題点なのかを拝見するためです。
私が展示場にいくと、営業マンは、家の構造などを詳しく説明してくれるのですけれど、私がどんな家を欲しがっているかなどを聞き出そうともせず、地震に強いとか3階建てのメリットとかペラペラ説明。最後は、かわいい子供部屋をみせて、子供が大きくなったら二つに分けられると説明をしてくれました。
その時、私は50過ぎ。50過ぎの人に小さな子供がいると思ったのでしょうか。
もちろん、その後の研修では、お客様がどんな人かを想像しなくては、お客様のニーズを聴きとらなくては、ただ一方的な説明ではお客様の心はつかめないよと、偉そうに雷を落としたりしちゃいました。(笑)
おかげさまで、背景事情の掴み方の研修をさせていただいて、大きな成果を上げることができました。
人とのコミュニケーションは、相手を知ろうとするとこから始まります。
最初から「どうせわからない」と思っているではなく、心を開かせる、自分自身も開くための技術、工夫が必要ですね。
どこかの国でも、一方的に言うだけで、「説明して!」といってもと繰り返すだけで説明にもならないのに、説明をし尽くしたと言い募る方々がいっぱいいらっしゃいますけれど、是非ともシナリオのお勉強をしていただきたいものです。
喜んで、研修にお伺いします。
シナリオは、他人の心を開く素晴らしい技術を持っているのです。