子どもからお年寄りまで、すべての人にシナリオの力を!
あなたの毎日に役立つシナリオの活用例がここにあります。
「ピノ、食べよ」
と、事務局の青木さんが言い出しました。
先週の土曜日の18時過ぎくらいでしょうか。生徒さんも落ち着き、小腹がすいたところで、おやつタイムです。さて、この青木さんの「ピノ、食べよ」はどんなセリフだかわかりますか?
もうちょっとわかりやすく言うと、青木さんが“みんな”でピノを食べたいセリフなのか、“一人で”ピノを食べたいセリフなのか、ということです。
青木「ピノ、食べよ」
みんな「おぉ~いいねぇ~」
青木さんのアクションに対して、みんなのリアクションの場合、青木さんがみんなでピノを食べようと提案してくれているセリフになります。みんなが疲れている時間を見計らって、とても気の利いた和気あいあいとしたセリフになります。青木さんのキャラクターも気が利く、優しいキャラクターです。
青木「ピノ、食べよ」
新井「めしあがれ!」
この場合はどうでしょうか?青木さんが一人でピノを食べようとしているセリフになります。しかも、みんなが疲れている時間を見計らって、とても嫌味なこれ見よがしなセリフになります。青木さんのキャラクターは、とても食いしん坊で嫌な奴です。
「ピノ、食べよ」というアクションだけでは、そのセリフの意味も、そのセリフを言う人のキャラクターもわかりませんが、リアクションが入ると、意味もキャラクターもわかります。もっと言えば、リアクションひとつで、セリフの意味が全く変わってしまうということです。
一休さんのようですが、セリフの構造というのはそういうものです。
実際に土曜日、青木さんの「ピノ、食べよ」というセリフに対して、「めしあがれ!」と新井が言ったら、青木さんからツッコまれました。
「いやいや、みんなで食べるんだから!」
そうです。新井にまんまと食いしん坊で嫌な奴に仕立て上げられてしまうと悟ったわけです。
何気ない日常の、何気ないセリフに、ドラマのヒントは詰まっています。私たちの周りに散らばっているドラマのかけらを拾っておいて「ミソ帳」につけておくと、いつか使えるかもしれませんよ。
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