シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。暮れにもなると土日も忙しく、とはいえ遊びですが・・・(笑)それにしても今年は、いつも以上に全力疾走で2015年が駆け抜けていく気がします。
ちょっと寂しい。創立45周年も新井一の生誕百年も終わってしまうのですね。
先週、ちょっとお話したマイスター講座の説明会には20名ほどの方々がおいでくださいました。 マイスター講座は、講師の養成講座です。シナリオ・センターの講師は、ご自分の経験談や実績をもとに話すことはまったくなく、あくまで新井一が創った「シナリオの基礎技術」に基づいて、しっかりとシナリオの、映像表現の技術をお教えしていきます。
それだけに、誰でもがなれるわけではありません。
シナリオ・センターのシナリオメソッドを理解し、把握し、納得した上で教えなければなりません。
なので、1年間講座とゼミと週2回授業を聴いていただき、実際に添削を毎回していき、どんな作品にも対応できる広い心と技術を身につけていただきます。
シナリオを教えることの難しさは、創作には正解がないということです。 その上、すべての人が創る作品は、一つとして同じものがないのですから、ひとつひとつに一人一人に真摯に向き合わなくてはできないことです。
もうひとつ、シナリオ・センターはプロ養成のほかに、シナリオを色々な形で、色々なところで繰り広げる研修というか、教育というか、プロ養成とはちょっと違う分野も行っています。
これこそが、シナリオ・センターの「日本中の人にシナリオを書いてもらいたい」というミッションを広げていくためのものです。
シナリオは、どなたも気が付いていませんが、人間を見つめるすべての目をもっています。なので、どんなことにも応用ができるのです。
小中学校で子供の想像力を広げる、他人を想う気持ちを広げる、高校大学で、自分を見つめる、将来を見通す、企業でお客さんの心を知りつかみとる、組織を活性する、また、個人では自分自身を見つめ、人間関係を構築する・・・などなど様々な研修を行っています。
シナリオを書くことが、ものを見る目、他人を見る目、社会を見る目を広げていくのです。
それだけに、講師は、狭い心や視野ではだめなのです。
シナリオを書くとき、対立するどちらの意見も同じ重さで描けなければ、対立のすさまじさは出てきません。
自分の想いだけでなく、相手の想い、周りの想いをもわかって描かなければ、葛藤は深くなりません。
シナリオを書かれている方はおわかりいただけると思うのですが、物事を具体的にとらえることができるノウハウをシナリオは持っているのです。
だから、シナリオは面白い、シナリオは深い。
シナリオ・センターは、シナリオで社会変革を目指しています。というと、「なんじゃ、そりゃ!」とネトウヨさんたちにいわれそうですが(笑)、自分の気持ちだけをひたすら表現するのは、本当の表現力ではありません。
誰にでもわかるように表現できることこそ、はじめて表現力を持ったといえるでしょう。
他人の話に耳を傾け、受け止め、その上で自分の想いを表現できる人たちが増えたら、優しい社会へと自然と変わっていくはずだと信じて、シナリオ・センターはシナリオを教え続けていきます。