子どもからお年寄りまで、すべての人にシナリオの力を!
あなたの毎日に役立つシナリオの活用例がここにあります。
「人間を見る目は、日々のトレーニングで養っていく必要がある」 脚本家 清水有生
昨年11月に出身ライターの清水有生さんに特別ゼミを実施していただきました。幸運にも最終日のみでしたが見学させて頂いたシナリオ・センターの新井です。ゼミの最後に清水先生がおっしゃいました。
「シナリオを書く技術は、シナリオ・センターで教わることができる。でも、人間を見る目は日々のトレーニングで養っていく必要がある」
実は、シナリオ・センターの創設者の新井一も、同じことを『シナリオの基礎技術』の中で言っています。
「シナリオをどう書くのかは教えられるけれど、何を書くのかは作家自身になる。だから、シナリオ・センターではどう書くのかという技術だけを教えている」と。
そういう意味では、清水先生はシナリオ・センターで学んだ実感として、技術は教えてもらえるけれど、人間を見る目は教えてもらうものではなくて、自分で養うものだと思われたのだと思います。
と。そして、次のことばに続きます。
「アマチュアは、ほとんどその練習をしない」
どう響きましたか?
ドキッとしました?
目が泳いじゃいましたか?
いや、そんなことないけど…と思いましたか?
とはいえ、人間を見る目をどう養えばいいのかなんて、なかなか難しい課題です。
例えば、仲のいい友達の顔を思い浮かべてください。
その友達の冷蔵庫の中は、どんな風になっているでしょうか?
入っているもの、並べ方にもその人らしさがでてくるはずです。ちなみに、私の義妹の冷蔵庫のなかにはチョコレートばかりが入っています。というか、チョコレートしか入っていないと言ってもいいくらいです。キャラ、出てます。
さて、友達の冷蔵庫の中身はどうでしょうか?
さらに、友達は歯磨き粉をどう使っているのか?とか・・・
シャンプーの残りが少なくなったら、どうするのか?とか・・・
みんなで飲んでいて、お皿に一つ食べ物が残っていたらどうするか?とか・・・
手を洗って、ハンカチがない、紙もない、乾かす機械もない・・・時にどうするか?とか・・・
奥さんや旦那さんに嘘をつくとき、どんな嘘を、どんな顔で、何と言ってつきそうか?とか・・・
あんなことやこんなこと、あんな時やこんな時・・・身近な人をモチーフにして、具体的なシーンを想像してみると、「この人ならこんな風にするかもしれないな」という発想ができるようになります。身近な人だとやりにくかったら、あなたが好きなドラマの登場人物が「もしも~したら」と想像を膨らませていくのもいいかもしれません。
そんな風にして365日を過ごしていったら、帰りの電車内で10分やっただけでも、年間60時間以上になります。(数学苦手なのでたぶんですが…)
すると、ドラマの登場人物を考えるときにも「あれ、このキャラクターって、こういう時どうするんだろう」というアイデアが湧いてくるようになるのではないかと思います。
シナリオを書くには、人間を見る目を養う必要があります。逆に言えば、シナリオを書くことで人間を見る目を養うことができます。「一億人のシナリオ。」を始めた理由でもあります。365日、創作モードになってもらうべくフェイスブックページやツイッターページなどのカバーも変更しました。お暇な時に見てやってください。シナリオ・センターの新井でした。
シナリオ・センター代表 小林幸恵 著 BookBeyond http://bit.ly/Ue2KM7 |