シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。今日は126期シナリオ作家養成講座の開講日です。オリエンテーションと入学式を行います。
46年目に突入したシナリオ・センターの初講座です。1月の講座は、新たな年明けですから、毎年身が引き締まる思いです。
新しい講座を初めるたびに心が躍るのは、新しい方との出会いです。
シナリオに興味を持ってセンターに足を運んでくださることの嬉しさは、ちょっとやそっとでは語りきれません。
シナリオって、決してメジャーではないので知らない人は知らない。当たり前だけど・・・(笑)
「シナリオ」って言葉は知っているけれど、実際どう使われているのかはご存じない方が圧倒的に多いのです。
それでも創立当時から比べたらずいぶんと知られるようになりましたけれど、日本中の人にシナリを書いてもらいたいシナリオ・センターとしては、「シナリオ」がメジャーになるよう、もっともっと頑張っていかなくては。
今日も入学式でお話したのですが、シナリオ・センターは課題を出して書いていただくのですが、実はこれが描き続けることができるための秘訣なのですね。
「課題があります」と申し上げると、「自由に書けないんですか?」とおっしゃる方が、必ずおひとりくらいいらっしゃるんですね。
「はい、基本の間は、課題を書いていただきます」がっかりしたお顔をされます。
ですが・・・ですが、です。
作家集団に進級されると、ここではなにを書いても自由、シナリオじゃなくてもOK、なんでもあり、オールフリーなのですが、これまできちんと課題をこなされてきた方も、ぴたっと筆が止まります。
ところが、昨年、あることをしたら、普段書かなくなっていた作家集団の方々がにわかに書き始めたんです。
新井一生誕100年記念として1年間「新井一の隠れ課題」というイベントをゼミ生に向けてやらせていただきました。
毎回出席していると20枚シナリオの「隠れ課題」をプレゼントし、書くと添削してお返しするというイベントです。
作家集団の方、隠れ課題を書くこと、書くこと。296本、こちらがまさかと思うほど書かれたんです。ホント、ビックリポンや!(笑)
自由っていうと、自由になんでもできる気がするのですが、自由ほどたいへんなものがない・・・んです。全部自分で決めなくてはいけない。
でも、課題があると、例えば「猿」だったら「猿」について悩めばいい、考えればいい、調べればいい、「猿」を見たり聞いたりできます。
そう、課題というのは、実は「発想の素」なのです。
課題をこなしていくと、どんどんご自分の発想が広がっていきます。
楽しんでください。