子どもからお年寄りまで、すべての人にシナリオの力を!
あなたの毎日に役立つシナリオの活用例がここにあります。
ず~っとブログに書こうと思っていて、ず~っと書けずにいたことを、今日は書こうと思うシナリオ・センターの新井です。
みなさん、御存じの映画『GodFather2」についてです。たぶん、一度はご覧になったことがあるかと思います。
途中に休憩が入ることでお馴染みの映画です。もしかしたら、マーロン・ブランドでお馴染みだと思う方や、そこはアル・パチーノだろ、という方や、コッポラじゃないの?という方もいるかもしれません。
で、年末あたりに、自宅のdTVで『GodFather2』を観ていた時にすごいことに気づいたのです。もしかしたら、有名なのかもしれませんが、すごいと思ったシーンがあります。
若き日のドン・ヴィトー・コルレオーネ演じるロバート・デニーロが初めての仕事(地元を偉そうに牛耳っていた男を暗殺する)を終わらせて家に戻り、最初に抱くのが赤ちゃんのマイケル・コルレオーネです。
ご存じの通り、マイケルはのちにゴットファーザーの座を継ぐことになります。
『GodFather2』は、1で描かれたコルレオーネファミリーができるまでの軌跡を描きます。現在と過去を行ったり来たりするので、扇状回想法と言われる方法を使っています。
いや、これの何がすごいかって、抱っこするのがマイケルだっていうことです!
ん?だから何って?赤ちゃんを抱いただけだろって?
いやいやいや~マイケルの兄である長男のソニーで、頼りない二男のフレドでもないんですよ。末っ子のマイケルなんですよ。しかも、ドンの最初の仕事の後に抱くのが、マイケルなんですって!
ご存じだと思いますが、『GodFather』でマイケルはファミリーの仕事から距離を取っていました。ドンも継がせる気はなかったわけです。それがドンの急襲事件を機に変わってくるわけですが…
『GodFather2』の赤ちゃんマイケルを抱くシーンに、実はマイケルは赤ちゃんの時から、ゴッドファーザーになることを運命つけられていた・・・みたいな感じが凝縮されているわけです。
シーンとしては、ほんの3秒くらいです。でも、この3秒が意味のあるシャレードになっていたと思うのです。シャレードというのは、間接的に表現する技術です。
例えば、喫茶店で男女がコーヒーを飲むシーン。女の人が男性のコーヒーに黙って砂糖を入れたら、親しい関係だとわかります。「砂糖は入れますか?」と聞けば、知り合い程度の関係だとわかります。これがシャレードです。
たった3秒のシーンにも、無駄がない!
年末に一人、やたらテンションが高くなったシーンです。もしかしたら、有名で当たり前のシーンなのかもしれませんが、私は驚きました。休憩が入るほど長い映画の3秒ほどのシーンにもちゃんと意味があるのだと・・・
みなさん、ワンシーン、ワンシーンにこだわってますか?
そうやって映画やドラマを観ていくと、新しい気づきがたくさんあると思います。
このシーン、何のためにあるんだって?って。
作家の目というのは、こういうところでも磨くことができるのではないかと、126期シナリオ作家養成講座の開講日に思うシナリオ・センターの新井でした。
基礎講座、1月2月と立て続けに開講です。通信講座の場合は、いつでも入学できます。
シナリオ・センターでは、日本中の想像力と創造力を豊かにしていく「一億人のシナリオ。」プロジェクトを様々な機関で実施しています。どんなことができるの?という方、お気軽にお問合せください。詳しくはこちらから。
シナリオ・センター代表 小林幸恵 著 BookBeyond http://bit.ly/Ue2KM7 |