シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。明日は節分です。今年も恵方巻きと豆まきは必須のシナリオ・センターです。一度やってしまいますと、毎年やらないと、なんか縁起が悪いことが起きる気もして・・・やるのです。(笑)
縁起担ぎと言われればそうなのですが、単純に季節ごとの行事って大好きです。まして、美味しいものが食べられるなら。(笑)日本に四季があって本当の良かった。
日曜日に、ゆっくりと新聞を読んでいたら、小説家逢坂剛さんの記事がありました。即、その記事に目がいったのは、キャッチが「キャラクター作り 決め手」となっていたからです。
逢坂さんは、ご存知のように「百舌」「御茶ノ水警察」シリーズなどの警察ものから、ハードボイルド、ミステリー、時代小説と幅広くお書きになっていらっしゃいます。累計240万部を突破されているのだそうです。
記事は、「百舌」シリーズの7作目にあたる「墓標なき街」を刊行されてのトークイベントのお話でした。
そのトークイベントで逢坂さんが「キャラクターが決まれば70%できたもの」とおっしゃっています。
「百舌」シリーズでは、殺しや百舌と警視庁公安部倉木、津城警視正の主要人物ができたとき「ああ、もうこれで書ける」と思われたとか。
「キャラクターに沿って書けばいい」のでシリーズものも困らないそうですが、「4・5作とボルテージが落ちてきて、それが読者にもわかるので、常に課題を持って臨んでいらっしゃる」とのこと。
シナリオも一緒です。 2時間ものでシリーズになるものはキャラクターがすばらしい。連ドラのおもしろいものもそうですね。
現在上映中の柏原寛司さん脚本の「さらば あぶない刑事」。30年もタカとユージのキャラは変わらない、ぶれないキャラで、さらばとなります。(笑)
まずは、キャラクター作りから始めましょう。
過日ご講演いただいた浅田次郎さんもそうですが、それにしても色々なジャンルを書かれる逢坂さんの筆力はすごいですね。
逢坂さんの小説のネタで一番多いのは新聞記事だそうですが、古本屋巡りも「神保町は情報の宝庫。情報に作家的創造を付け加えて書くので、ちょうど現実のタイミングが得られる」そうです。
作家がどれだけ引き出しを持つかというのが勝負ですね。
小説家の方々のお話をお聴きすると、いつそんなに読むのかと思うほど、資料以外の本を読んでいらっしゃるのですね。
「これぞ!」というキャラクターも、そういう中から浮かんできて、創り込んでいけるのかと思います。
ちょっと真似して神保町界隈を探索してみてはいかがでしょう。