子どもからお年寄りまで、すべての人にシナリオの力を!
あなたの毎日に役立つシナリオの活用例がここにあります。
タバコのシーンがある映画は、成人向けにすべきだというニュースを今月初めに目にしました。ちょっと驚きを隠せないシナリオ・センターの新井です。
え、?誰がそんなこと言ってんの?
誰?と思っていたら、WHOだと。
WHO?
え、ピートダウンゼントがそんなこと言うかしら?もしかして、ロジャーダルトリー?とか思っていたら、イギリスを代表するブリティッシュビートバンドTheWhoが言っているわけではないらしいのです。
WHO=世界保健機関が、言っていると。
ロックスターが、シガレット&アルコールを否定しだしたら、つまらない世の中です。とんだWHO違いでした。
なぜタバコ、ダメなのかしらというと・・・(出典:NHKNEWSWEB)
WHOは1日、タバコに関する報告書を発表し、タバコの広告の規制が世界各国で強まる一方で、映画やドラマには規制がないと指摘しています。そのうえで、タバコを吸うシーンがある映画などは「世界の大勢の若者たちを喫煙に誘導している」として、映画などの登場人物に影響を受けて未成年が喫煙を始めるのを防ぐために、各国に対して、喫煙シーンがある映画などを成人向けに指定するよう勧告しています。
WHOによりますと、アメリカでは2014年のハリウッド映画のうち喫煙シーンがある作品が40%余りに上ったほか、喫煙を始めた未成年のうち37%が映画などをきっかけにタバコを吸い始めたという調査結果もあるということです。
要は、映画に影響されてタバコを吸う子どもが出てきたら大変だというわけです。
なるほど・・・なるほど・・・なるほど・・・と思いながらも、大きなお世話だ!と思うのは私だけでしょうか!?
いや、未成年がタバコを吸うこと自体は、よくないと思います。絶対に。でも、大きなお世話だと思います。タバコ吸ってる描写くらいでそこまで言うか?と。
だって、ですよ。何に影響されるかくらい、自分で決めたいもの。
私が中学生のころ、友達でタバコ吸っている子いました。
あの子たち、わざわざ学校にタバコ持ってきて、
「今日、タバコ持ってきちった」
って、聞いてもいないのに報告してくるんです。胸ポケット触らせたりして。プチ不良気分なのかしら。
で、わざわざ休み時間に校舎の目立たないところに行くわけです。コソコソと。でもちょっと周りに知ってほしい感じで、
「一樹も来いよ」
って。
で、吸うんですよ。ステレオタイプに、ちょっとウンコ座りみたいなのして。
私、思ったんです。この子たち、かっこ悪いなぁ~と。
分かりますよ。中学生くらいって不良に憧れるし。タバコ吸ってみたくなるし。確かに映画とかテレビとかでタバコ吸ってるシーンってかっこよく見えるわけです。特に中学生くらいの時は。
でもね、一生懸命、学校で吸ってるって、なんかねぇ~と。全然かっこよくない。むしろダサいと。
彼ら、言ってくるわけです。
「一樹も吸えよ」
って。
いや、吸わねぇよ、と。
私、当時サッカーしてましたから、体力落ちたら嫌だからっていうのと、背が伸びなかったら嫌だからっているので断りました。タバコ吸わなかったのに、体力はつかなし、背も伸びませんでしたが…
だからね、何に影響されるかくらい、自分で決めさせてくれって。
「スティーブ・マックイーンのタバコの吸い方、かっこいい!オレ、真似するから」
っていう中学生がいたら、ちょっとかっこいい。
でも、身体には悪いらしいよ。それでもいいの?と。
「いや、それでもいい!」
というのなら、吸ったらいいような気がするんです。でも、先生とか親とかに怒られるよ、と。タバコ吸って親に怒られるマックイーンって、かっこいいのか?と。
それでも吸うのなら・・・最後に聞きたい。
タバコを吸うマックイーンはかっこいいけど、マックイーンのかっこよさは、そこだけなのか?と。もし本気で、マックイーンに憧れるなら、磨くべきところはもっともっとあるだろう、と。マックイーンへの道は長くて険しいぞ、と。
何に憧れて、何をかっこいいと思い、どうするのか…
それくらいのこと、自分で決めればいいと思うんです。憧れるチャンスくらい、頂戴よ、って。たとえ中学生だとしてもです。そうやって、個々人のキャラクターが確立されていく訳ですから。それを、誰か(WHO)に決められたくない…というか、規制されることで、もっと大切なことが抜けちゃうんじゃないの?と思うのです。
それは、自分で考えるってことです。
禁止されていることを、「いけない」と言われるからやらないっていうのと、「やりたくない」からやらないのでは大きく違う。さらになぜ自分はそう思うのか、自分という登場人物の「背景」と「事情」を言えたら、もう最高だと思うのです。
ルールを守れるかどうかではなく、ルール以前になぜ自分はそれをやらない方がいいと思うのかを考えられなければいけないと思うのです。考える機会を、大人はそれとなく用意すべきだと思うのです。奪うよりも。
ある人は「子どもには判断する力がないから」というかもしれません。だったら、なおさら考える力をつけることが大切なわけです。考える力がない状態を前提にしちゃったら、ダメだと思うんです。それって、子どもへのあきらめじゃないの?って。大人はあきらめちゃダメでしょ、大人なんだから。先回りして禁止するのは、優しさではないんじゃないのかなぁと思うのです。
もちろん、WHOの言い分も分かりますし、一つの貴重な提言だと思います。でもさぁ…子どもの問題は、大人の問題でしょ。違うのかしら…シナリオ・センターの新井でした。
自分の頭で考える力をつけるのはシナリオだ!ということで、シナリオ・センターでは、日本中の想像力と創造力を豊かにしていく「一億人のシナリオ。」プロジェクトを様々な機関で実施しています。どんなことができるの?という方、お気軽にお問合せください。詳しくはこちらから。
シナリオ・センター代表 小林幸恵 著 BookBeyond http://bit.ly/Ue2KM7 |