シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。風邪が流行っています。昨日のように雹が降ったり、暖かくなったりしていると、身体がついていきません。所長の後藤も今週はダウン。後藤の場合は、一番よく使っている喉に出てしまって、声が出ず・・・声優さんではないですが、声を出すことが商売なだけに困っています。
皆様もお気をつけくださいね。
昨日から、日曜日に行った127期シナリオ作家養成講座のご質問のお返事に追われています。今週中に皆さんにお届けしたいと必死です。(笑)
今回は、説明会の中で、参加者全員に簡単なシナリオを書いていただきました。
ほんの5分くらいで、設定のあるワンシーンを書いていただいたのですが、最初はびっくりしながらも、皆さん楽しんで書いてくださいました。
書いた後、隣の方と交換して読んでいただきました。
なんでお教えしてもいないシナリオを書かせるのかと思われるかもしれません。
シナリオの力を見ているのではありません。創作の醍醐味をわかっていただきたいからなのです。
隣の方と自分のものと読み比べてみると、同じ設定なのにまったく違うものを書かれているということをおわかりいただきたかったのです。
金子みすずの詩ではありませんが、「みんな違って、みんないい」ということを。
どなたもが、この世界で唯一無二の存在、誰一人同じ人はいません。ということは、同じものは絶対ありえないということです。これこそが創作の醍醐味で。
それぞれがお持ちの個性=感性をいかに伸ばすか、良い芽を摘まないようにするかがシナリオ・センターの教育方針です。
シナリオ・センターのモットーは否定をしないことです。
創作は、否定をされてしまうと、そこから広がっていきません。
それに「こうしなければならな」「正解はこれだ」というものは、創作にはあり得ませんし。
だからこそ、いいところ探しをすることが大事なのです。
おかげさまで、業界一多く出身ライターを出すことができたのは、このやり方を46年続けてきたからだと自負しています。
「これはだめだ」とか、「認めない」という方がいらしたらとても悲しいです。
いつか咲くかもしれない芽を神様でもない、ひとりの人間が摘んでしまうことの怖さを御存じないとしたら、他人を想うという想像力を持っていないわけで、創作者にはなりえないということかもしれません。
これから、様々な創作者を目指す方は、自分も他人も否定しないで、いいところ探しを続けてください。
それがきっといつか創作の花を咲かせると思いますから。
そんなことを胸に刻みながら、説明会にいらしてくださった方々へおひとりおひとり手紙を書いています。