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楽しかったけど…シナリオを辞めようと思った【講師突撃インタビュー!金子講師・前篇】

突撃講師インタビューも、気づけば第10回となりました。今回は、火曜日のお昼の本科ゼミナールを担当する金子講師にお話を伺いました。金子講師のゼミは、いつも賑やかで雰囲気のいいイメージがあったのですが、その秘密がちょっとわかったような気がしたインタビューになりました。
とは言え、「もう二度とシナリオは書かない!」とまで思われた衝撃の告白もあり…さてどうなるか、前後半の二部構成です。
後編はこちらから

 

私は母に「眉つばじゃないの?」って言われましたよ(笑)。ですから、通うかホントに悩みました。
広告を切り抜いて、それを時折見たりして…(笑)。通うまで、1、2ヵ月はかかったと思います。

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新井

講師インタビューも金子さんで10回目になります。区切りがいいですね。
そして、インタビューの切り口も同じです(笑)。

もともとシナリオには興味をもったキッカケってなんですか?

金子

ジェームス三木さん脚本の「玉ねぎ横町の花嫁さん」見てからですね。「こんな面白いものを書いている人がいるんだ」って。もともとテレビドラマは好きで見ていたんですけど、「シナリオ」というものを意識したのはそこからです。

新井

今まで見たドラマとはちょっと違いましたか?

金子

違いました。

毎回ドキドキ、ハラハラして。「今、そこに行っちゃダメ、ダメ。なんで行っちゃうの?」みたいに。

新井

メチャメチャ感情移入しているじゃないですか(笑)。

ジェームス三木さんのお話もこの先、「どんな話になるの」って引き込まれますもんね(笑)。

金子

その時に「コメディってサスペンス性が加わるとこんなにも楽しいんだ」って思って。ドラマって大体行っちゃダメなところに行っちゃうんですよね。「そこをどう上手くかわして、続きを気にさせるのか?」みたいな(笑)。

新井

(笑)。
そのジェームス三木さんのドラマを見て「自分も書きたいな」ってなったんですか?

金子

いや、最初はそこまで思わなくて。
「私が楽しんでいるドラマを書いている人がいるんだ」って。
「自分も書こう」なんて思わなかったです。

新井 

なるほど。では金子さんがシナリオセンターに通おうと思ったのはどうしてですか?

金子

新聞広告を見てからですね。
それで「シナリオを学べるところがあるんだ」って知りまして。

新井

新聞の広告がキッカケって、講師に多いんですよ。
同じ本科講師の原田さんもそうらしいです。「8週間でプロになれる」って当時の広告に書いてあったんですって。流石に8週間ではプロは難しかったって仰ってましたが…(笑)。
「でも面白かったから続けることにした」と。

金子

(笑)。
私は母に「眉つばじゃないの?」って言われましたよ(笑)。ですから、通うかホントに悩みました。
広告を切り抜いて、それを時折見たりして…(笑)。通うまで、1、2ヵ月はかかったと思います。

新井

新しい何かを始めるって思いきりが必要ですよね。

金子

はい。

「とにかく行かなきゃ分かんないんだから」って自分に言い聞かせて。母を説得して通うことにしました(笑)。

新井

(笑)。実際、通学してみてどうだったんですか?

金子

ドキドキしました。

若い男女が多くて。大丈夫かなぁって(笑)。

 

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新井

(笑)

金子さんだって当時は充分、若かったんじゃないですか?

金子

そうでしたけど…。
私より少し若い、ちょうどハタチ前後の人たちがメインだったので。

新井

ちょっとお姉さん的な目線な感じで見ていたんでしょうか(笑)。
その年頃の2、3年の差って気になったりしますね。講座は受けてみてどうだったか覚えています?
南青山にシナリオセンターがあったころだと思うんですが。

金子

面白かったことは記憶にあるんですが…。
新井先生と後藤先生とジェームス三木さんが代わりばんこに講座を担当されていて、業界の裏事情なんかとても楽しかった。ただ技術的にどんなことを習ったのか覚えていないんですよ(笑)。だから「勉強した」感は全然なくて。

新井

それって、ちゃんと教えていたのかなぁ(笑)。
金子さんが受講していたのって年代的には、いつ頃ですか?

金子

随分、前のことだから…はっきりと覚えていないんですけど…。
1982年くらいかしら。確か、4日間の集中講座だったんですけどね。

新井

おお、本当にあったんだ、4日間講座。
前回インタビューした竹村さんも受講していたって聞いたんです。創立10年も経って間もないころだから、試行錯誤しながら教えていた頃なんでしょうけど…。実際に通いだしてから、お母さんに何か言いました?

金子

「面白かった」って言いました。
あと「ちゃんとしているところだったよ」って(笑)。

新井

ありがとうございます(笑)。
生徒時代のゼミの思い出ってありますか?

金子

本科では、10人の生徒がいたんですけど、その10人全員が同時期に修了したことは印象的でしたね。
新しい人たちも入ってこないで、そっくりそのまま卒業して研修科へ進みました。

新井

へぇ、本科を修了するまで同じメンバーだと、親密になりそうですね。
修了まで、最短でも5か月かかりますから。

金子

そうそう、仲良かったですね。
当時、教室にはお茶のセットや灰皿なんかもあって。みんなでワイワイ言いながら、お茶や灰皿の準備して

新井

教室にお茶とタバコ(笑)。なんか時代を感じます。

金子

そうでしょう(笑)。
また当時はそういうのは女性がやるのが当たり前という感じでした。「なんで男性はやらないの?」って若い女性陣は思っていたのではないかしら。私を含め(笑)。

新井 

なるほどね(笑)。

ゼミ内での生徒さんのコメントとかどうでした?

金子 

アツかったですよ。かなりキツい感想を言う方もいたりして。
だけど、そんな人が後でお茶会したときの代金を「ここは俺がもつ」なんて言ってくれたりね。そういうようなことが、結構ありましたね。

新井 

メリハリというか、クラス内のバランスはとれていたんですね。
シナリオセンターって仲間を作る良さってありますよね。今も昔もそれはきっと同じなんでしょうけど。

金子 

そうですね。
私たちの時もそうでしたけど、今の生徒さんたちを見ていても本科修了してからも、つながっていたりしますから。

新井 

シナリオに関してざっくばらんにいろんな事が言える、そんな環境って、シナリオ・センター以外にないですしね。
普通に生活していても、ドラマや映画が好きで、さらに自分でも書いてる人ってまずいないだろうし。

金子

そうそう。日常と違って、何にもしがらみがないですから。
だから、変な話「どういうタイプが好き?」なんてことも言ったりね(笑)。

新井 

修学旅行の夜みたいな感じですね(笑)

金子

そうそう、そんなところもあって。楽しかったですね(笑)

新井

でも、そんな充実したシナリオライフをおくっていた金子さんも、一度シナリオ・センターをやめているんですよね?

金子

そうなんです。
「もうシナリオはやめよう!」って思いました(笑)。

 

シナリオ・センターで、シナリオライフを謳歌していた金子さんが、「シナリオをやめよう!」と思ってしまったのはなぜか…そして、なぜ復帰したのか…後半に続きます。お楽しみに!

 

インタビュー構成:冨金原

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