シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。サマーセミナーのお話を昨日していたら、すっかり夏らしい陽気になりました。
明日は、もう6月1日、時はあっという間に流れてしまい、一日一日を大事にしなければと思いつつ、『頑張る』とか『一生懸命』とかが似合わない私なので、いつも「ま、いいか」で過ごしてしまいます。いやいや、明日こそは頑張ろう。(笑) ダイエットも不調ですが。
午前中に、Bunkamuraザ・ミュージアムで「俺たちの国芳 私の国貞」展に行ってきました。ま、すごい人。若冲展とは比べものにはなりませんが、それでも人混みをかき分け観るってかんじ。
この展覧会、さすが江戸っ子国芳、国貞の本領発揮みたいなポップな展示で、タイトルだって、俺たちの国芳なんて、どっかのレストランみたいだし・・・。
浮世絵って、今は芸術品扱いですけれど、江戸時代はいわゆるブロマイドであり、ポスターであり、漫画であり、エンタテイメントですから、楽しくて当たり前なのかもしれませんが、それにしても、二人の浮世絵の構図といい、大胆なデザインは、まさにザッツ・エンタテイメントです。
国貞の美人画や役者絵は、写真の比ではなくドキドキするほど魅力的だし、国芳の武者絵の勇壮な姿は、ワクワクさせるし、確かに今時のポップっぽいんですね。
私が好きなのは、国芳のむだがき。 ホント、漫画みたいな絵で、落書き風に見せているんですが、なんともいえない楽しさにうまさがにじみ出ているのですね。
これは天保の改革で風俗取締りが行われて、役者絵などが書けなくなった国芳が考えたもの。
「落書きだもん!」って、ちゃんと刷っているのに言い抜けちゃう・・・苦肉の策だったかもしれませんが、苦肉に見えない新鮮さがすごいです。 この反骨精神が、大胆な構図を生み出しているんでしょうね。 猫好き、骸骨好きの国芳さんは、猫を組み合わせて骸骨にみせるとか、もうむちゃくちゃやりまくっちゃっているんです。
歌舞伎絵においては、物語は決まっているのに、見せ方で全然違う。
ワンシーンを切り取っただけで、この歌舞伎舞観たーい!!って思わせる迫力、想像力をかき立て、ワクワクさせてくれちゃいます。
「見せる」っていうのは、こういうことです!っていう見本みたいです。
あなたのシナリオは、見せていますか?
6/5までです。国芳、国貞の世界から、「見せる」を学んでください。