シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。昨日は代休をもらって、日曜日からしまなみ街道へいってきました。
大学時代の友人3人とどこへ行くとも考えない年に1度の恒例珍道中。
大塚さんに「入れ替わって帰ってこないでね」(註「転校生」大林監督作品)と言われて、死んでも入れ替わりたくない友人ばかりなので(笑)、階段から転げ落ちないように、気をつけて気をつけて歩いて帰ってきました。
大丈夫です。今日の私は、正真正銘の小林幸恵です。
尾道では、昔ながら街並みを楽しみ、千光寺に上り、しまなみ海道を一望にし、ヘタな俳句を詠みあいながら、文学の道や猫の小道をおりていきました。
ゴールデンウイークにいったベネチアも、同じような島々の連なりですが、ずいぶんと趣が違うものだと思いました。
私は、ベネチアも心躍りましたが、日本のしまなみがやっぱり落ち着くみたいで、展望風呂からしまなみ街道の島々を見渡しながら、まったりと過ごしました。日本人だなあ・・・(笑)
しまなみ海道のひとつ生口島の瀬戸田は、画家の平山郁夫さんの生まれ故郷です。
瀬戸内の青い海、島々が少年期の平山画伯に大きな影響を与えたといわれていますが、こんなきれいな穏やかなところに住んでいたら、心の目は澄みきるのだろうとしみじみ思いました。
ご存知のように平山画伯は、広島で被爆され、後遺症に悩まされながら、平和を願い作品を書かれてきました。
生口島に平山郁夫美術館があり、そこを訪ねました。
仏教絵やシルクロードはお馴染みだとは思いますが、びっくりしたのは、小学生の時から書かれた絵が展示されているのですが、そのすばらしいこと。
源為朝や曽我兄弟の絵などは、あまりの緻密さと絵巻物のような描写に、中学生で書いたなんて嘘でしょう!と叫んでしまうほどすごいのです。
「目」というものの、ものの見方というのは、幼少時代に培われていくものなのでしょうか。
展示の一つに、シルクロードの人々を書いたデッサンがたくさんありました。
こんなにたくさんのデッサンを重ねて初めてあの広大なシルクロードや人々の姿が描かれていくのですね。
たくさんのデッサンなくして、平山画伯の大作は生まれないわけで、私たちのシナリオと全く同じなのだと思いました。
20枚というデッサンを重ねてこそ、大作が生まれるわけですから。
泊まった宿は、鞆の浦だったのですが、その宿は日曜劇場「流星ワゴン」とか、先週から上映の「探偵ミタライ事件簿~星籠の海~」(東映)等のロケに使われ、エキストラもしたのだと従業員の方がとても自慢げに嬉しそうに語ってくれました。
映画やドラマ作りって、人を高揚させるものなんだなあと、こちらも話を聴きながら、ちょっと嬉しくなりました。
やっぱり、ドラマ作りはやめられない。ですよね。(笑)