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最近増えてきた動画を使ったPR。シナリオの技術、使えるんじゃない?

2016年は、動画元年なんだそうです。来年か再来年には、VR元年が来るのでしょうか?シナリオ・センター元年はいつになるのか…と思うシナリオ・センターの新井です。

確かにSNS上でも、広告かそうじゃないかに関わらず、タイムラインに流れるPR動画を目にしない日はありません。でも、観たくなる動画とそうでない動画があります。特に、企業の広告はそうですよね。
でも、広告だとわかっているのに観てしまう動画。あれって、どうやって作っているのだろうか…ということで、バズる動画の特徴を、シナリオの構成からひもといてみました。

 

例えば、少し前に話題になったおんせん県「シンフロ」編。温泉でシンクロするやつです。観ちゃいましたよね、思わず。「頑張れ、大分」という思いも込めて分析してみます。


①テーマは何か?

この動画のテーマは、「大分県には「おんせん県」と誇れるくらいに、色々な温泉があるから、来てくださいな~」とか、そんな感じだと思います。

構成を起承転結で考えたときに、「転」はテーマを伝える機能があります。ということは、「転」には、「来てね!」というテーマが入ります。

 

②「転」に向かってドラマを進める

「転」のテーマに向かって、ドラマは進んでいきます。ということは、「起」では何を描けばいいのか。言うまでもなく、天地人ですね。天は時代、地は場所、人は登場人物です。

「シンフロ」の動画では、天は現代の温泉街が映ります。地は、何やら緑豊かな温泉。おじいさんたちが、気持ちよさそうです。人は、行進して入ってくるシンクロの方々。かっこいいですね。そして、「おっ?なんだ??」と思わず観てしまいます。

謎があることで、先が気になります。

 

③「承」でドラマをドンドン盛り上げる

「承」はドラマを展開させる機能です。展開部とも呼ばれます。ここが面白くないと、ドラマでもPR動画でも観てもらえなくなってしまいます。

「シンフロ」は、様々な温泉でシンクロをして楽しませてくれます。小さい温泉、透き通った温泉、「こんなとこで、シンクロしちゃうわけ!?」とか「ぶつかんないの?」とか思っているうちに、テンポよく「承」が展開します。そろそろ飽きてきたかなという1:56秒あたりでは、水圧で飛んでるし!

「承」のポイントは、起きる出来事を、団子の串刺しのように同じ大きさにしないことです。「シンフロ」では徐々に出来事の内容を大きくして興味を惹いています。うまいなぁ~!

 

④「転」でテーマを間接的に伝える

「転」ではテーマを伝えます。でも、ここポイントです。
直接的にテーマを伝えるのか、間接的にテーマを伝えるのか…「シンフロ」は温泉という商品(サービス)の良さを、終始、直接的な効能や数値などで伝えていません。だったら、テーマも同じです。

「日本一の温泉で、世界のみんなを沸かせたい」

とコピーを「感情セリフ」で作っています。このコピーが「たくさんの魅力的な温泉があなたを待っています」だとテーマを説明セリフで直接的に言ってしまいます。そうなると、せっかくの「シンフロ」で温まっていた熱気が冷めてしまいます。温泉だけにね。

 

⑤「結」で余韻を感じさせる

「日本一の温泉で、世界のみんなを沸かせたい」というコピーをバックに、地球の映像が映ります。メッセージが映像として印象に残ります。「おぁ~世界ね」という感じで思わず余韻に浸ってしまいます。「地球人として、行ってみよう」と。完璧です。

 

「シンフロ」、恐るべし!構成がロジカルで気持ちがいいくらいです。シナリオの構成がわかると、PR動画も観たくなる動画に変わります。映画でもテレビドラマでも、PR動画でもいい動画には必ずいいシナリオがあるもんだと思うシナリオ・センターの新井でした。

 

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