シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
昨日の新聞を読んでいたら、東京都内から富士山を拝める日が、この50年間で5倍に増えたと報じていました。汚染物質の減少と乾燥化が原因とか。富士山を世界文化遺産にと動いている昨今、すてきな現象ですね。
私は、土曜日、そんな富士山を目のあたりにしてきました。朝日に輝く富士山、青空の中すくっと立つ富士山、夕陽に照らされた富士山、雪のちらつくシーンもありと、富士山思いっきり堪能。温泉に入りながら見た富士山も最高でした。「富士山・河口湖映画祭2013」は、こんなすてきなおまけ、いやメインディッシュ(?)もついているんですね。
今年は、審査委員長はジェームス三木さん。久々に講演もあり、大笑いさせられながらシナリオのシの字を教わりました。7割ドラマで見せて、3割は想像力で見せること、今のドラマは説明しすぎて見る人の想像力を失くしてしまっているというお話に、ゾォー。これってとても怖いことだと思いませんか。メディアが、見る人の想像力を奪ってしまったら、考える力のない人が育ってします。と、どうなるかというと、お上の思いどおりにすることができるってことですよね。やっぱりシナリオで想像力を育てなくては・・・。「一億人のシナリオ。」がんばります。
昨年の受賞者松永良平さんの「ジョフクの恋」が上映され、すてきな映像になっていました。主演は、水谷豊・伊藤蘭夫妻の愛嬢で女優の趣里さんと百瀬朔さん。高校演劇部で、ジョフク伝説を元にお芝居の練習を重ねるうちに、ジョフク伝説のように好きになっていくというラブファンタジーですが、映像描写がきれいで、富士山の魅力もあますところなくみせていました。
今年のグランプリ受賞者は、大阪校の西史夏さんの「未来のウエディングブーケ」。
審査員長のジェームス三木さんより、うまいつくりだとお褒いただき、また題名がいまいちと厳しいお言葉も。大阪から駆けつけた西さんとその後の懇親会でもお話したのですが、「映像化してもらえることが一番嬉しい」。そうですよね、シナリオはそのためのものですもの。
シナリオコンクールで映像化できるのは局主催のコンクールくらいですから、この「富士山河口湖映画祭シナリオコンクール」は有難いです。ドンドン応募しましょう。
次の日日曜日は、とんぼ返りで副所長の柏田と「ドラマ・シナリオフェスティバル」へ駆けつけました。明日は、こちらのお話をしたいと思います。