シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。なんだかヘタクソなシナリオの回想シーンをみているような昨今の世の中。どんよりして先行きが見えないせいか、人の動きが悪いような気がします。 ヘタクソな回想はつまらない説明に終わったり、動きが見えなかったり、前へ進まないのです。
前へ進むために頑張った方たちが、実力を認められました。
シナリオS1グランプリ授賞式が、昨夜行われました。
受賞者の皆さん、おめでとうございます!!
準グランプリ「一番近くの獣医さん」杏入圭美さん(研修科)
準グランプリ「命の音色」佐久間朋子さん(研修科)
佳作「高校4年生があったら、英語を話せるようになるか」
西原広治朗(元通信研修科)
奨励賞「もぐら裁判」松原絵里奈さん(元本科)
奨励賞「前世旅行」町田奈津子さん(一の会)
奨励賞「バードセーバー」荒木伸二さん(本科)
荒木さんは、「テレビ朝日新人シナリオ大賞」優秀賞も先日受賞されるという快挙を成し遂げられました。2冠おめでとうございます。
主催者の私が言うのもおこがましいけれど(m(__)m)、シナリオ・センター主催の「シナリオS1グランプリ」は、発想がいいとかストーリーが面白いとかいうだけではなく、シナリオがちゃんと描ける方へお贈りする実力の賞なので、この賞をもらった方は、折り紙つきの実力者です。
シナリオがちゃんと描けるというのは、どういうことでしょうか。
プロデューサーや監督の方々が、よくおっしゃることは、
「ストーリーやアイデアは、自分たちも一緒に考えられるけれど、具体的にシーンには起こせない。そこが脚本家の仕事で、脚本家の腕だ」と。
そこなのです。「シーンを描く」これがシナリオライターの仕事なのです。
先日、出身ライターの岡田惠和さんが、本当に短い短編小説を脚色させると勉強になると思いますよとサジェスチョンをくださいました。
「なるほど!」と思いました。
どうしてもストーリーを追うことばかり考えてしまう方がいらっしゃるのですが、脚色なら、初めからストーリーはあるので、どこを切り口に、何をみせていけばよいのか、極端に言えばシーンを描くことだけ考えればいいわけですから。
よいサジェスチョンをいただきました。何らかの形で取り入れてみたいと思います。
なので、今年のサマーセミナーは、そのシーンを描くことだけに突出した内容にしました。
このシーンづくりが身につけば、あとは恐いものなしです。
プロの素養がついたということですから。