しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。
何気に描いた物語。
シナリオ・センターの課題シナリオ。
コンクール応募作。
なんとなーく、面白いから…で、シナリオを書いていませんか?
それも良いのかもしれません!でも、それはたま~に良作が書ければいい場合の話です。
「いつでも同じクオリティーを保つためにはどうしたらいいの?」
シナリオの技術を腕に定着させましょう。
「じゃあ技術を定着させるにはどうしたらいいの?」
それは、書き続けることです。しかも、シナリオの技術を意識して。
というわけで、シナリオ・センターでは2016年4月から月間でシナリオの技術をご紹介する、
「次の一手!」を開始しました。
「次の一手」とは、創設者・新井一が遺したシナリオの技術に関する単語をドドンッ!ご紹介。
その言葉のご説明も付けてご紹介します。
何気に描く物語。
シナリオ・センターの課題シナリオ。
コンクール応募作。
書く時に、思い出してみてください。
「なんとなーく面白いのができあがった」を、「だから面白いのができたんだ!」に、するために。
そうなれば、クオリティーを保つことができますね。
「次の一手!」は1階事務局の掲示板にドドンと掲示中です。
お気軽にお越しください。
7月の「次の一手!」はこちら!
天(時代・情勢)地(場所)人(人物)のイメージを
はっきりさせておかなければなりません。
時代はいつにしたらいいか。それは戦国時代がいいか、あるいは現代がいいか。いろいろこの話の最も適している時代を考えます。これによって自ずから事件というものがだんだん固まります。
次に場所です。都会の中がいいか、地方がいいか。また野武士の群れの部落にするか、軍隊の中がいいか。また少しずつ話がまとまってきます。
次は、いよいよ人物です。どんな人物にしたらいいか、年齢は、階層は、男か女か、同じ階層のものがいいか、異なった階層のものがいいか。
ここでもだんだん固まってきます。
というような訳で、私どもの中にあるモヤモヤした抽象的なテーマを、
天、地、人をいれてはっきりさせて行くのです。
《場所の発想》
映画やテレビは、人物と場所しか写らないのですから、
場所についても、通りいっぺんではなく、大いに面白いアイディアを発想してください。
人は、その置かれる場所によって心境の変化もあるし、危機も作ることができるのです。
夏目漱石の『行人』には、大学教授の差し金でその妻君と弟が、
嵐の旅館に閉じこめられてしまう、というシチュエーションがありますが、
そうした置かれた場所の発想がドラマを作ります。
新井 一
(「シナリオの基礎技術」「シナリオの技術」(ダヴィット社)より抜粋)