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今回は、同じ会社が扱うCMの中で、目的によって見せ方に変化を付けていることが分かり易く伝わるCMの事例をご紹介します!例として、家電メーカーのPanasonicのCMで分析してみました。
こちらは、少し前に放送されていた「Jコンセプト」シリーズのCMです。
ドラマ仕立てのこのCM、テロップなどで商品の特徴が上手く伝わってくると思いませんか? 年齢を重ねた方をターゲットにしたこちらのシリーズは、確かに、「あるある」と思うことをテロップや映像で見せていますよね。
・洗濯機の中の洗濯物が取り出しにくい。 ⇒ 腰が気になる方には辛い動き。
・掃除機の重さが気になる。 ⇒ 毎日掃除をする人には切実な悩み。
そして、後半ではそこを見事に解消した家電たちが出てきます。
・洗濯槽を浅く、取り出し口を広くした、腰に負担が少ない洗濯機。
・約2kgの、世界最軽量の掃除機。(※発売当時。)
まず始めに、“あるある”な映像から入っているので、観ている人を自然にその物語の中に誘い出すような感じで始まっています。しかも、“あるある”がきちんと解決できていますよね。この家電シリーズ、ターゲット自身が使うより、年齢を重ねた親を持つ方は、この家電をプレゼントしたくなりませんか? そんな気持ちを呼び覚ます映像になっているなぁと感じます。
この、「困った→解決」の流れのCMは、台所洗剤、ダイエットサプリ、風邪薬etc… 。他にもたくさんあります。その商品を使うと、問題が解決する…ということを具体的に説明し、ダイレクトに商品をアピールしています。観ている側の「困った」と同じ状況が映像になっていたら、直ぐに欲しくなりますよね。
・「あるある」と感じさせる
・お客様が変化を感じる動画にする
・購入に繋がりやすい余韻を作る
こちらはテーマソングと共に、西島秀俊さんの良いパパぶりが印象に残るCMですね。
心地のよい音楽と、理想的な家庭の一場面がイメージ風にずっと続くこの映像。その中をよ~く見てみると、さりげなくPanasonic製品が置かれた家庭の映像になっています。冷蔵庫やエアコン、洗濯機がところどころに入っていることに気づきましたか? 先ほどのJコンセプトと似たようなテイストですが、同じようで“何か”が違います。
大きな違いは、その製品自体の存在が限りなく“かすかなもの”になっていること。
グイグイと商品を前面に出すわけではなく、「こんな家庭、いいな」「みんな幸せそう」と思えるシーンをまず描く、ということが大切だからです。この映像の中で製品は二の次になっていますが、視聴者には「この製品を使うことで、こんな生活が手に入りそうだなぁ…」と思ってもらえればイイのです。
あえて“感覚だけ”を全面に押し出して、消費者の欲しいと思う心を無意識に刺激する…と言う順番になっているので、映像自体は全く押し付けがましくありません。けれど、何回もその映像を見ている内に、心の中でその製品の存在が大きくなってきます。そして、その製品のヘビーユーザーでなかったとしても、「あの製品を使うと、こんな風になれるのかも…」と、感情が変わってきて、いつかそれが購買に結びつく。ココが作り手側の狙いなんですね。
商品間接型は、SNSとの相性が抜群!というメリットもあります。目的と媒体に合わせて、うまく使うといいですよ。
・商品は全面に出さす、小道具として使う
・テーマをお客様自身が感じるように作る
・商品に親近感がわくような余韻を作る
いかがでしたか?
印象に残るCMの商品は、すぐに買いたい! と思ったり、なんとなく見流しているCMでも、気づけばその商品が欲しくなっていたりしますよね。こんな風に、作り手の意図を考えてみると、自分で作る動画にも役立てることができます。
ぜひ、好きなCMを試しに分析してみてくださいね。シナリオ・センターの内藤でした。
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