シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。我が家の近所には、夏休みだというのに、子供の声がしません。私が子供の頃は、子供の声がうるさく、外から聞こえてくる声に、夏休みの宿題をしながらも気がそぞろになったものでした。
今朝は、センターに入ると子どもの声が聴こえてきました。
アップルストア×シナリオ・センターコラボ企画、サマーアドベンチャー2回目の日です。
心配そうに見つめる親御さんをよそに、子供たちは楽しそうにシナリオ作りに励んでいます。
最近、子供たちがシナリオを楽しそうに創っている姿を見るにつけ、子供好きでもないくせに、なんだか胸がいっぱいになり嬉しくなります。
この感情に戸惑いながら、歳のせいだと片付けていたのですが、どうもそれだけではないのだということに気がつきました。
世の中がどんどんと思わぬ方向へと転がっていく昨今、私の中に大きな危機感が生まれているからなのだと思います。
ニュースを見るたびに、胸がふさがる思いに駆られるのは私だけでしょうか。
お上は、力に任せて他人の意見も聞かずに突っ走っていく、下々は思い通り行かないストレスを殺人や暴力に変えていく・・・これが日本なのかと思ってしまいます。
何故、他人の痛みや想いを想像できないのか、人として一番大事な根っこは、想像力ではないでしょうか。
考え方や想いは、右でも左でも、上でも下でもいいのです。 みんな違うのは当たり前なのです。
ですが、人間社会で生きている以上、他人と関わっていかなくてはなりません。
それには相手に対する、他人に対する想像力をお互いに持つことで成り立っているのです。
自分と違う、仲間と違うものを排除する傾向がより強くなっている昨今だからこそ、一人でも多くの人々に想像力の広げ方を再認識してほしいと思うのです。
子供たちは想像力を目いっぱい広げて、色々なものを創れます。
今日も、保護者の皆さんは、一様に我が子の作品、創作に対する考え方ややり方を発表する自信に満ちた姿にびっくりされていました。
前にも書きましたが、大人って、まして親って、案外子供を侮っているんです。(笑)
明日は、川喜多映画記念館子供のシナリオ・映画教室の上映会です。
7月にシナリオから撮影まで作った映画をみんなで鑑賞します。
またまた、保護者の方がびっくりして、大喜びされるのだろうなと今からわくわくしてしまいます。 子供にとってはこれからの考える力になってくれるだろうし、保護者の方にとっては違う視点で自分の子供をみつめるよい機会になってくれること思います。
子供たちのシナリオを添削してお返しするのですが、添削しながら毎回感心してしまうのです。どの子もそれぞれ素晴らしいものを描きます。
その素晴らしさにたくさんの大人が気がついてくれますように。
子供が、予想もしない力を持っていることを知ってしまった私は、子供たちのシナリオにやみつきです。