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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

ゴーストファビア

シナリオ・センター代表の小林です。どなたかに会うたびに、「今年も終わりですね、早いですね1年は・・・」と必ずおっしゃるんですね。タクシーに乗っても運転手さんの第一声。なんだか今年はいつもより早い?(笑)神宮外苑のイチョウ並木も昨年より2週間ほど早く色づきました。 

ゴーストフォビア

昨日、出身ライターの美輪和音さんが、新しくだされた小説をお持ちになってくださいました。
久しぶりに担当だった所長の後藤とも会っていただけて、よもやま話に花が咲きました。
美輪さんの新作は、「ゴーストファビア」(創元推理文庫)
美輪さんは、ホラー小説を書かれます。もちろん、この小説もホラーミステリーです。
実は、後藤は、毎回いただくご本を読みません。というか、読めません。
怖いものなしにいつでも誰にでも発言し行動する後藤ですが、弱点はホラー。ディズニーランドのホンテッドマンションすら怖がる。これこそ、魅力の2面性ですね。(笑)

私も得意ではないのですが、「ゴーストファビア」頑張りました。夜中読みました。(笑)
恐怖症をめぐる連作ミステリーなので、前作の「強欲な羊」や「18番目のマリア」ほどではありません。面白さではなく怖さがですよ。(笑)
はい、ミステリーですから。で、で、でも、長い髪の幽霊が這いずりまわったり、飛んできたりもするけど、毎回。 ですが、何度も言いますが、ミステリーなので謎解きというか幽霊になったわけや、犯人がわかるので、いつもの美輪ワールドからすると、まあ、それほど怖くありません。
一番怖いのは、幽霊よりも人間だということがわかる時点でそれはそれで怖いですが、ホラーの怖さとは違います。

この小説は、連ドラにすると面白いです、ゼッタイ。
画的にもひどくきれいで不気味で、好きな人ははまるでしょう。
私は、ゼッタイダメですが(すみません!)、連作1作目のゴーストフォビアは、鈴木光司さんの「リングの」貞子を髣髴させる幽霊だし、3作目の人形屋敷は映像的にはものすごくきれいだろうと思います。
なによりも、さすが脚本家でもある美輪さんの創られた3人の主人公はキャラがとても濃い。
サイキック探偵と称するオカルト大好きな全然怖いもの知らずのトンチンカンな芙二子。芙二子に振り回される妹、右耳が聞こえない接触恐怖症の三紅。事故物件を扱う不動産屋の一見クールな男性神凪怜。この3人がそろうと、すごい事件が解決できちゃいます。
三紅は神凪に触れると聞こえない耳に誰にも聞こえない声が聞こえ、神凪は誰にも見えない幽霊が見えちゃうんです。 で、二人はすごくおびえるのですけれど、芙二子は全く平気。このトリオの掛け合い、幽霊との接触シーンは、怖いのにちょっと笑えたりしちゃいます。

緻密な構成で、3人キャラのぶつかり合い、恐怖あり、謎解きあり、お笑いありのこの小説、是非ともドラマ化をお薦めします。
たぶん、この小説はシリーズになります。

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