シナリオ・センターの開講情報をお知らせします。ドラマや映画だけでなく小説、戯曲、漫画やアニメの講座の開講、コンクール対策講座もあります。
今年のアニメシナリオ講座、ラストを飾るのは、
★テーマ「キャラよ。さぁ、バトルだ!」
★ゲスト講師:前川淳さん
(『ドラゴンボールZ』『遊戯王ARC-V』『フレッシュプリキュア!』『ルパン三世VS名探偵コナン』)
--です!
前川さんのお話を聞いて、わたくし齋藤、こう思いました。
キャラクターを作るとき、何を考えればいいか。
考えなきゃいけないのは…
登場人物のバックボーン!
というのは、前川さんのこんな体験をお聞きしたからです。
【血肉の通ったキャラクターをつくるために、よく「履歴書を書こう」と言いますよね。実際に書いてみたことがあるのですが、何のために書いているのか、いまいちよく分かりませんでした…。その後、こんな話を聞きました。男女2人のラブストーリーを書いたシナリオライターが、先輩ライターにこんな質問をされました。「この彼女、どういう家族がいるの?」。そのシナリオライターは主人公の家族構成までは考えていませんでした。この質問の意味が分かりますか?つまり、「彼女の家族が見えない=彼女のキャラクターがぼんやりしている」ということです。この話を聞いて、「登場人物の履歴書を書く」の真意が分かったんです。生年月日や学歴・職歴など、単に履歴書の記入欄を埋めればいいわけじゃない。履歴書を使って、そこから、生い立ちや家族構成などの“バックボーンを”考えることで、血肉の通ったキャラクターを作ることができるんだな、と】
登場人物の履歴書を作ったことありますか?
私、実は登場人物の履歴書を作ったことがあります…。
前川さんと同じように、何のためになるのか、いまいち分かりませんでした…。
でも、前川さんのお話を聞いて腑に落ちました。
履歴書を普通に書くのではなくて、そこから登場人物のバックボーンを考えていかなきゃいけないんですね!
たしか、いつかのアドバンス講座で、『となりのトトロ』のサツキとメイのお父さんは縄文時代の稲作の研究をしている、という設定だと聞いたことがあります。
言われてみれば、お父さんのことは詳しく描かれていはいませんが、「サツキとメイにはどんなお父さんがいるのか」というのはイメージできますよね。
「縄文時代の稲作の研究をしている」と設定しているのは、ドラマで描くためではなく、キャラクターを作るために設定しているのです。
ドラマでは描かれないけれど、登場人物の履歴をつくることで、キャラクターがよりハッキリしてきます。
【実際に、僕が書くシナリオは家族の話が多いんです】と前川さん。
前川さんは、『フレッシュプリキュア!』『デジモンアドベンチャー』『魔法戦隊マジレンジャー』のシナリオでも、主人公の家族のエピソードを書かれています。
登場人物のバックボーンを考えると、血肉の通ったキャラクターを作ることができる。
主人公だけでなく、周りを取りまく登場人物たちもバックボーンを考えることで、ひいては、主人公のキャラクターがより固まる。
そして、登場人物全員のキャラクターがブレなければ、セリフに迷うこともなく、無理にストーリーを捻り出すこともないのではないでしょうか。
皆さんも、登場人物の履歴書を書くとき、キャラクターを作るときは、コレ!
「登場人物のバックボーンを考える」
前川さん流でやってみましょう!