シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。今日とても悲しいお知らせをいただきました。 研修科を担当されていた藤本裕子先生が、1月16日肝臓がんのため亡くなられました。
藤本先生は、昨年の11月中旬お友達と旅行にいらっしゃり、その時から食欲がなく、体調が今一つだったため、帰宅してすぐに病院に行かれました。
そこで、思いがけない病状を告げられたのです。
藤本先生は、テニス、スキー、登山とスポーツウーマンで、元気はつらつ、病気などとは縁遠い方でした。なのに・・・。
ご本人は「自分でも心の整理がつかない」とおっしゃりながらも、治療へ頑張って向かう心づもりでいらっしゃいました。
今まで申し上げなかったのは、どなたにも体調不良ということで通してほしいという藤本先生のご意志を尊重したからです。
藤本先生は、きっと元気な先生として再び皆さんにお会いするつもりだったのでしょう。
藤本先生は、1998年からシナリオ・センターの講師として、本科、研修科と担当してくださいました。
昨年12月で、講師を退くつもりでいらしたのは、ご自分でも気が付かないところで何か感じられたのでしょうか。
それぞれの生徒さんのシナリオと真摯に向き合い、共に学び合っていく姿にファンも多く、とても残念で、お引止めしたのですが、藤本先生は「シナリオ・センターでみんなと一緒に学んでいるのは楽しいから、甘えていたらズルズルいてしまいそう。私は、引き際をきちんとしたい」ときっぱりおっしゃって譲りませんでした。
退職されることを知り、12月には、元の生徒さんや出身ライターの方々が送別会を企画して下さったり、お別れの挨拶にみえたりしてくださったのですが、それもかなわないまま逝ってしまわれました。
私は、医療は日進月歩だから、きっといい治療方法があるはずだし、基本はお元気な方だからきっとまたお会いできると信じていました。
ご一緒に、中之条、河口湖と泊りがけでよくでかけました。テニスも教えてくださいました。
今年最後の富士山河口湖映画祭にも行こうと話してもいましたし、11月の初めには、私の通っているトレーニングジムへ入るつもりでもいらっしゃいました。
ご本人も、本当にまさかのことでしたでしょう。
藤本先生のご遺志で、ご葬儀はご親族様だけで執り行われました。
藤本先生の美学を感じます。享年76歳。まだまだ平均寿命にもほど遠いというのに。
でも、天国には藤本先生の大好きな新井一や堀江先生もいます。向こうでもシナリオ談議に花を咲かせてください。
本当に本当に残念です。心からご冥福をお祈りいたします。合掌。