シナリオ・センターの開講情報をお知らせします。ドラマや映画だけでなく小説、戯曲、漫画やアニメの講座の開講、コンクール対策講座もあります。
皆さん、喉から手が出るほど欲しくて欲しくたまらないものはありますか?
恋人? お金? 美貌? 才能? 知識? 地位? 名誉? 権力? 誰かを倒すチカ ラ?
こうやって、自分が欲しくてたまらないものを考えてみる。
そして、シナリオや小説を書くときも、主人公が欲しくてたまらないものを考えてみる 。
こう考えていくことが大切なんだ!と、「実践ライトノベル講座(全2回)」の第2回目を受講して、わたくし齋藤、実感しました。
今回のゲストは前回に引き続き、シナリオセンター出身であり、元リンダパブリッシャーズ副編集長兼プロデューサーである峯岸桂子さん。
オーバーラップ文庫大賞を狙うことを念頭に置きながら、ライトノベル執筆の具体的な手順やシナリオとライトノベルの共通点や違いなどなど、お話しいただきました。
その中で、印象に残ったフレーズがあります。
それは、
満たされない欲望は物語の燃料になる!
峯岸さんがこのフレーズをどんな流れで仰ったのかというと
【物語は人間の感情でできています。喜怒哀楽……感情といっても色々ありますね。なかでも、もっとも物語を引っ張っていく人間の感情は何だと思いますか? それは「満たされない欲望(心や身体の飢餓感)」です。例えば、「欲望が満たされないことで、どれだけ惨めで苦しいか」を物語の最初にかくことで、主人公の行動のモチベーションが生まれます。そして、目的へ進むにつれて主人公が変化・葛藤していく。そのドラマが読者を引き込みます。この「満たされない欲望」が大きければ大きいほど、物語のスケールは大きくなり、読者もより引き込まれていく。だから「満たされない欲望」は物語が進む燃料なのです。】
満たされない欲望を物語の最初にかく。
つまり、満たされない欲望を起承転結の「起」の部分でかくということですよね。
『シナリオの基礎技術』にあるように、「起」は「転(テーマ)」の反対のことを考えます。
だから、「起:満たされない欲望」が、「転:満たされていく」ように展開していけばいい!
言われてみれば、満たされない欲望によって、人って動き出しますよね。
例えば、片思い中の女の子。
「好きな人を振り向かせたい!」という欲望を満たすために、お化粧してみたり、髪型を変えてみたり、ファッション雑誌で研究したり、何かしら行動をおこしますよね。
また例えば、甲子園出場を目指す野球少年。
「甲子園に出たい!」という欲望を満たすために、血の滲むような練習に励んだり、チームメイトとぶつかったり、何かを犠牲にしたり、やはり何かしらの行動をおこします。
満たされない欲望が、ほんとに物語の“燃料”になってますよね。
満たされない欲望があると、それを満たそうとして人は行動する。
だから、シナリオや小説をかくとき、満たされない欲望を設定したら、その欲望を満たすために、この主人公はどう動くのか、を考えることが大切!
また、こうも言えます。
満たしたい欲望のために人が動き出すと、障害にぶつかったり、葛藤したりと、よりドラマティックになりますよね。
ということは、
満たされない欲望を設定したら、新井一が提唱した<ドラマとは変化である>のほか、<起承転結><葛藤>などなど、シナリオの技術・発想を活用していけば、「それからどうなるの!」と続きが気になるドラマが作れますよね。
峯岸さんは講座の最後、こう締め括りました。
【私はとっても楽しくシナリオ・センターに通っていました。そして、自分の作品がコンクールで受賞したことをゼミで報告できた日は、私にとって最良の出来事でした。皆さんはシナリオ技法を学んでいます。その強みをぜひ存分に小説に活かして下さい!】
本当にそうですよね。
シナリオ技法は小説にも使えます。
シナリオ技術・発想と、峯岸さんに教えて頂いたヒントも活かして、コンクールを狙っていきましょう!
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