子どもからお年寄りまで、すべての人にシナリオの力を!
あなたの毎日に役立つシナリオの活用例がここにあります。
シナリオ・センターでは2016年4月から月間でシナリオの技術をご紹介する「次の一手!」を開始!
「次の一手」とは、創設者・新井一が遺したシナリオの技術に関する言葉をドドンッ!ご紹介。
何気に描く物語。
シナリオ・センターの課題シナリオ。
コンクール応募作。
書く時に、思い出してみてください。
「なんとなーく面白いシナリオができあがった」を、
だから面白いシナリオができたんだ!」にするために。
「次の一手!」は1階事務局の掲示板にもドドンと掲示中です。
お気軽にお越しください。
3月の「次の一手!」はこちら!
「 論より情 」
思ってもごらんなさい。
仮に二人は離れられない大恋愛劇でも最初は、全然見ず知らずの人から始まる場合があります。
「ウー」という空襲警報。「アッ」と言う間に東京は数寄屋橋に爆弾が雨あられ、
「危い」と言って倒れている女の人をかばってやる。
やがて、空襲が解除になって、男の人は、女の人をかばっていたのに気がつきます。
「大丈夫ですか」
「ありがとうございました」
ここで二人の間は忘れられないものになりました。
今まで、どこの誰だかわからない人が春樹と真知子で、
一世を風靡した大メロドラマ「君の名は」の発端にもなります。
考えても見て下さい。「君の名は」ばかりでなく、
何でもない人が好きになったり、そしてもっと好きになったり、
急にあることから、口をきくのもいやになるという
感情の消長(いい言葉ですね)が、
実はドラマを作っているのです。
いかにもドラマの筋は、ああなって、こうなって、
そこに突然主人公が現れてというように思いますが、
それではつまらないのです。
消長というと、愛していると言っても、対人関係ですから、
今まで好きで好きでたまらなかった人でも、
食事のあと、お茶をブクブクと飲んでいるのを見て、百年の恋もさめてはてるなンてのもあります。
ところで困ったことには、感情ですからキャメラに写らない。
どう表現すればいいのかですかね。
いつまでも手をつないだり、手を離したりの表現ではうんざりしますね。
このうんざりしない表現を考えるのが、シナリオの技術なのです。
その技術の一つに、リトマス法というのがあります。
新井 一
(「シナリオ作法入門」(映人社)より抜粋)