しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。
新春…は、だいぶ過ぎましたが、シナリオ・センター代表の小林と副代表の新井とで、2017年のエンタテイメントのこれからについて、シナリオ・センターについて好き勝手言っております。
「2016年、シナリオ・センターの盛り上がりに欠けたのは代表のせいだ!」と、代表を責め立てる何様感が半端ない新井の言いぐさも含め、お楽しみください!
新井 今年はシナリオ・センター創立47周年。
ということで、47(シナ)リオの年と勝手に命名しました。
小林 完全な語呂合わせ(笑)。
前々から、シナリオの記念日を設定したいなって思っていて。
新井 「11月22日はいい夫婦の日」みたいに
語呂合わせみたいに◯◯の日って作ったりしているからね。
小林 そうね。
それで「シナリオの日があったらいいよね」なんて、
いろんな人と話をしていたんだけど。「4月7日はどう?」なんて。
結局実現しなかった。そこで、今年ウチだけでもやろうかと。
新井 ちょうど創立47周年だったこともあったしね。まぁダジャレですね。
「シナリオ・センターにのっかるのは嫌だなぁ…」と思うかもだけど(笑)。
小林 ね。業界自体がね、元気ないじゃない?
ドラマが面白くないと言われている現状っていうのは、壊していきたいなと。
新井 やっぱり業界的にも盛り上げていかないと。
それがダジャレいいのかという問題は、置いておいて(笑)
小林 2016年は、映画で言えば「シン・ゴジラ」「君の名は。」
「この世界の片隅に」もヒットしたでしょ。
新井 そうね。ああいう話題作が連発すると、映画館に行った時の雰囲気も
にもパワー感じるもの。
東宝のプロデューサーの方と話してても、みんなそこはうなずいてたもの。
小林 SNSの力も大きいとか。
新井 「ドラマ自体の楽しさがないと誰も見向きもしてくれない」のがSNSだから。
公開前の宣伝だけでは通用しなくなっているのかもしれないね。
小林 そうだね。前宣伝がスゴくても、つまらなければ尻つぼみになるし、
面白ければ口コミで広がるって時代になってきたのかも。
新井 それって特別なことっていうより普通のことで、
「結局は作品勝負なんだ」ってことだと思うんだ。
例えば「逃げ恥」って面白かったじゃない。
エンディングのダンスが話題になったけど、
ドラマ自体の面白さがあってこそだから。
これからは作家性が必要とされてくるような…そんな気がする。
小林 昔は山田太一さんや、倉本聰さん、早川暁さん、向田邦子さんとか、
脚本家の時代があったんだから。
今、BSで山田太一の※「想い出づくり。」を見ても面白い。
人を好きになることや友情なんて時代によって変わるものじゃないから。
※想い出づくり。…山田太一脚本のオリジナル書き下ろしドラマ。
「男たちの旅路」「早春スケッチブック」山田太一セレクションとして、
シナリオ・センター東京校にて販売中。
新井 時代背景が古くても、人間がキチンと描けているから今見ても面白いんだね。
小林 うん。やっぱりドラマは内容が良くないとね。
もはや有名俳優を主役にすれば、みんなが見るって時代じゃないと思う。
今年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」なんて4話まで子役でいくなんて前代未聞!!
一ヶ月主役の女優さんが出てこない。
それは脚本家の森下佳子さんの意図があるからそうするわけで、
そこを汲み取る監督とかプロデューサーの勇気がもっとあっていいのかなと思うよね。
新井 うん。それが勇気とか関係なく、当たり前になればいいのにね。
脚本こそがお客様の心をつかむんだから。
小林 そうなのよ。
新井 子どもだって、ごっこ遊びの延長で、ドラマを作れるし…
芸大でもシナリオをつくらないで映像を作るらしいし…
だからって、脚本を軽く扱ってはダメだよね。
小林 面白いドラマを作ろうと思えば、脚本を練らなくちゃいけないんだよね。
でもそれは努力がいるし、手間がかかる。
有名タレント出して、視聴率取れれば楽だし、努力もいらないじゃない?
最近は売れる原作、売れる役者に頼りすぎて安易な作り方をし過ぎたんだよね。
そんなやり方を一番はじめに……(以下、秘密)
× × ×
新井 ……まあまあ、そうなんですが。この辺りの話は全然使えないんだけど!(笑)。
ということで次の話題に行きましょう。
2016年は、シナリオ・センター的にもいまいちな年だったけど。
2015年の勢いはスゴかったじゃない?
小林 そうそう。
新井一が作ったけど、ずっと眠っていた課題を使ったイベント
「隠れ課題」なんてスゴかった。
新井 「猿」、「8」、「公団」、「編笠」、「こけし」…などなど、どう書くの?
というお題で(笑)。提出条件も厳しくて、ゼミで課題を4本書くか、
4回出席した人が毎月一本特別にさらに書けるっていう。
小林 条件が厳しいから書く人少ないかなって思っていだけど…。
新井 月平均80本提出されて。嬉しい誤算だったよね(笑)。
小林 課題にコメントを書いていた※後藤先生から悲鳴があがりましたが(笑)。
とはいえ、楽しんでやっていましたけど。やっぱりシナリオが好きなのよ。
あとは創立45周年パーティーも盛り上がったしね。
※後藤先生…シナリオ・センター所長。作家集団Fクラスのゼミも担当。
新井 それに「新井一賞授賞式」や「毎月のミソ帳倶楽部」…。
ホント盛りだくさん(笑)。
で、2016年もこの調子でやっていこうと思っていたけど…
イマイチ盛り上がりに欠けました、と。その原因はわかっている?
僕はわかってけどね。象徴的な出来事があったから。
小林 どんな?
新井 そ・れ・は!社長であるあなたが、2月8週間講座の開講日に来なかったことです。
小林 ……。(笑)。
新井 誰にもなにも言わず。すべての原因はそれです!(真顔)。
小林 え?
新井 「え?」じゃない!
小林 疲れたのかも(笑)。
新井 いや、そういう問題じゃない!
僕は、ショックでしたよ、当日。待てど暮らせど、来ないんだもん。
小林 大阪の説明会とかも、前の週にあったし…
新井 知らない、そんなの。
― 新井さん、わかりましたから!
新井 昔飼っていた犬が死んだときも、社長はウジウジしてた。
犬はね、仕方ないんだけど。その時もシナリオ・センターの調子が悪かった。
小林 …全部わたしのせいだね。すみません。
新井 そう!社長のせい!!やっぱり、社長が前にバンッと出てくれないと。
社長のヤル気×みんな、っていう掛算になってるわけ。社長のヤル気がなけりぁさ…。
小林 確かに気持ちって、大切だよね~
でもそこは副社長の新井君がさ、フォローしてくれないと(笑)。
新井 ダメ!ムリ!!やっぱり先導は社長がきってくれないと。
副社長なんて、当てにしちゃダメなの。一番当てにならないんだから!
小林 え?そうなの?
新井 そうよ。知らなかったの?
小林 まぁさ…新井一が死んでから、何をするにも自分で企画してさ、
一人でほぼほぼやってきたわけですよ。
でも、45周年は私が発信しなくても、
みんなが自主的にやってくれたからね。嬉しかったのよ。
新井 ……そう言ってもらえると、みんなもうれしいと思うけど。
だからって、気を抜いていいわけにはならないからね!
小林 45周年という祭りの後、シナリオ・センターがどうすべきか・・・
正直、はっきりしなかったのね。
シナリオの課題と一緒で、課題があればそれに向かうじゃない?
新井 確かにね。
センターの場合は、シナリオを教えるってことが一番の課題だけど、
「シナリオって楽しいそうだな」っていう雰囲気も外にいっぱい伝えたいからね。
小林 やっぱり書きつづけるには楽しめないとムリ。
そのためにはセンターも課題を作って頑張らないとね。
新井 生徒さんからすると、こっちはシナリオの課題を書いてるんだから、
シナリオ・センター自体も、課題を乗り越えなさいよってこともあるはず(笑)。
そこ、で。今年のテーマも決めたんだよね。
47(シナ)リオの年「シーン(新)感覚を研ぎすます」…またまたダジャレ(笑)。
小林 ひとつダジャレが出来るとどんどんダジャレが生まれてくるの。
新井 負の連鎖だよ(笑)。
小林 プラスの連鎖でしょう(笑)。
新井 センターとしては、生徒さんたちに「シーン(新)感覚」を磨いてもらえるよう
一年間、色々なことを仕込んでいこうというね。
小林 テーマの根幹には「シナリオって何?どうあるべき?」
っていうのを生徒さんだけでなく、業界全体でみんなで考えたいな
って気持ちがあるんです。
新井 おっ、やる気を感じますなぁ~
後半に続きます・・・