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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

シナリオライター志望の皆さん、2017年はシナリオの年になりそうな予感ですよ!

シナリオ・センター47周年目の2017年。47(シナ)リオの年と銘打って、やりたいこと…それは、受講生の皆さんに、とにかく面白いシーンを書けるようになってもらいたいということ、業界全体でシナリオから見つめていってほしいということ…誰に頼まれたわけでもないのに使命感に燃えるシナリオ・センター代表小林のインタビュー、後半です。 前半はこちらから

 

新井 今年のテーマは「シーン感覚を研ぎ澄ます」なんだよね。
 どうして「シーン」に着目したの?

小林 これは単純に、魅力あるシーンが描けるようになってほしいから。
 昔と違って、映像技術も進化しているわけじゃない?
 でも、そこに頼って魅力あるシーンになっていないことが多いような気がするの。

 

新井 人間の感情がぶつかったり、葛藤したり、悩む…
 人間を描くことがシーンの魅力の一つだものね。
 なのに、安易に回想やナレーションを使っちゃったり。
 なぜかみんな、ナレーションがお好き…みたいな。

小林 なんでなんだろうね?
 ナレーションって、説明セリフになりがちだから、
 本来、魅力を出すにはすっごい難しい技術なのにね。

新井 書いてる~って感じがするのかな?

 

小林 どうなんだろうね。
 例えば、私と新井君の対立のシーンを描くとすると、

 どんなふうなぶつかり方が視聴者をひきつけるのか?
 殴り合いなのか、黙ってにらみあうのか、いろんな表現があるじゃない?
 実際の新井君なんて、いつも面倒くさいとしゃべらなくなったりさ…
 キャラクターがあるわけじゃない?

 

新井 …。

 

-…。いま、そんな感じなんじゃないですか?

 

新井 ばれたか(笑)

 

小林 (笑)。だけど、私がしゃべらないと怒っているんじゃないかとか思うじゃない?

 

新井 社長がしゃべっていない時は、寝ているか、食っているかってだけでしょう。

 

-それは単純なキャラクターすぎます(笑)。

 

新井 (笑)。
 それはとにかく、どうしたら対立を描けるのか。
 対立してるんだから、とりあえず喧嘩させるってなるとありきたりになっちゃう。
 そうすると面白いシーンにはならないんだよね。

 

小林 今のドラマも説明ばかりだから。
 「説明多くない?」って、某局のプロデューサーと話したときに
 「今の視聴者は真剣にテレビの前に座っちゃいないから親切に説明しないとねぇ…」って。
 じゃあ、「座って見るようなドラマを作ろう。目が離せなくて
 途中でトイレにも行けないようなものを!」となればいいんだけど。

 

新井 …そこで、生徒さんにはトイレに立てないくらいのシーンを
 書けるようになって欲しいっていうので今年のテーマはシーン感覚!…。

 

小林 …。(シ〜〜〜ン!!)

 

新井 …。でも、最近は制作会社の人たち、プロデューサーの方たちも
 シナリオと向き合わなきゃまずいなって空気になっているのを感じます。

 

小林 いろんなところで研修させていただいているからね。

 

新井 去年、最高の観客動員数、最高益だったあの映画を
 生み出したあの配給会社さんとか!
  

-あそこしかないじゃないですか(笑)。

 

新井 (笑) 新井一、故郷へ帰るってことです。
 業界全体が、シナリオが大事なんだと思っていただけるのは良い兆候だなぁと。

小林 嬉しいよね。
 どうすればよりいいシナリオ、よりいいディレクションができるんだろう?
 ってなった時に、
シナリオ・センターが力になれるっていうのも、嬉しい。

 

新井 やっぱり、リーディングカンパニーほど意欲的な気がする。
 もしかするとゲーム関係の会社なんて、
 もう一段階先に行こうとしてるかもしれない。
 ライターズバンクを使ってライター募集をしても
 「自分たちがライターのチカラを引き出せなかったらダメじゃない」
 って、本気で思っているし。

小林 テレビや映画が昔もっていた「面白いドラマを作ろう」という熱はすごかった。
 その勢いを今のゲーム業界の人には感じますね。

新井 貪欲なのかな。ゲームもドラマ性の高さがそのまま売上に直結する世界だし。
 そのアツさをテレビや映画にも発揮してほしい。
 やっぱり、テレビや映画はオワコンなんて言われるの、くやしいじゃない?

小林 いい映画、テレビドラマ、観たいよね。釘付けにしてほしい!
 例えば『カルテット』なんて、「伏線の回収はどうなる?」なんて、
 一般の視聴者の方々が注目するわけだし。
 シナリオで、視聴者を惹きつけられるのよね。

新井 そうなのよ。そこに、ディレクターや俳優の力が掛け算されるわけだし。
 だから「今年は業界全体でシナリオってなんだろう」って
 もう一度考える年になったらいいなぁ、って。

小林 シナリオライター、プロデューサー、監督、スタッフ全員が
 「ものづくりの根幹ってなんだろう?」って考えてもらえると良いよね。

新井 そう。そのキッカケが創立47周年47(シナ)リオの年だと。
 無理やりだけども(笑)。

小林 (笑)。

 

-それに※47行の物語というコンクールやるじゃないですか。

  ※創立47周年と47都道府県をかけたコンクール。詳細はこちら

 

小林 これもダジャレ(笑)。
 通学はもちろん、通信講座や一般の人を含め、全国の人にシナリオを
 書いてもらえるイベントが出来ないかなと思っていて。

 

新井 それで気軽にできるイベントを考えたんだよね。
 47行って200字詰原稿用紙換算で5枚。時間にしたら2分半くらいだから。

 

小林 枚数短いから書くのは簡単だけどね。面白くするのは実は難しい。
 「見せ場」のみだから。

 

新井 そうね。だから、繰り返し描くと相当な力になる。

小林 10ヶ月も各地域を描けますからね。
 毎月47行描いているとスゴい力が付くと思う。そうやって、
 地道に取り組むことが実はプロへの近道なんですよ。

 

新井 あとはなんといっても、その地域出身のシナリオ・センター
 出身ライターの方々が
最終審査するんですから。
 絶対におもしろいと思うんだよね。

 「地」って、さらっと書きがちだけど、2016年話題になった
 「君の名は。」も「この世界の片隅に」も
聖地巡礼ってスゴかったじゃない。
 

小林 日本中にドラマはある!からね。
 とにかく2017年は全国的にシナリオを盛り上げましょう!!

 

新井 そして疲れて2018年を迎えないように!…(笑)。

 

小林 年寄りをイジめんな!!(笑)。

インタビュー構成 冨金原

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