シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。
シナリオ・センター代表の小林です。今日も冷たい北風です。我が家の近くは、四谷、市ヶ谷、千鳥ヶ淵とお濠を巡る土手があり、お花見には事欠きませんので、ハルと散歩のたびに桜の様子を眺めています。 東京の桜は、22日に開花宣言をしたのに、また寒さにキュッと身を縮めている姿がひどくいじらしいです。(笑)
市ヶ谷から九段、飯田橋へいく靖国通りや外堀通りは、舗道は全部桜ですから、ただ歩いているだけでお花見ができます。 なので、私は、桜をわざわざ見に行く、桜の下で宴会をするという楽しみを知りません。それもまた寂しいものだと想う齢になりました。
漫画原作講座が来週から始まりますが、例年になく受講生が少ないです。なぜなのかなあ と思いました。出版社によるコンペをつけていないからでしょうか。
毎回お願いをしていたのですが、残念ながらなかなか通る作品がありません。編集者の方がおっしゃるには、キャラクターがどの作品も一面的で魅力がないものが多いということでした。
なので、今後編集者の方々の信頼をいただけるよう、失わないよう、まずは、きちんと魅力ある作品を書けるようになっていただくことが先決ではないかと思ったのです。
結果がすぐに欲しいというのは人情ですが、創作に限って言えば、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」にはならないのです。
やはり、しっかりと創りこむ力がないと通りません。ですが、ちょっと遠回りでも魅力ある作品が作れれば、ベストセラーになりやすいのも漫画です。「急がば回れ」です。
漫画自身ももちろんベストセラーになるものが多いですが、ドラマや映画の原作にもどんどん使われています。
松竹、東宝の映画のラインナップを拝見すると、少女漫画の原作がとても多いです。
そうそう、4月上映の阿相クミコさんの「Re LIFE」はCOMICOの人気NO1漫画ですし、いずみ吉紘さん脚本「帝一の國」はジャンプSQで6年間も掲載された人気漫画で、舞台にもなりました。現在上映中の中川千英子さん脚本、松田裕子さん脚本協力の「きょうのキラ君」も、大人気の恋愛マンガです。 出身ライターの方々も漫画を映画化していらっしゃいますね。
漫画原作がこうも人気なのは、なにが理由なのでしょうか。
漫画の一番すぐれているところは、徹底的にキャラクターが創り込まれていることですね。
漫画自身の特性として、表情だけでは微妙な表現がわかりませんから、キャラクターが濃くないと面白さが半減してしまいます。
このキャラだからこその行動、セリフができると、面白くなるわけです。
女性に大評判だった出身ライター松田裕子さん脚本の「東京タラレバ娘」も、漫画原作ですが3人のキャラがしっかり出ていましたよね。
もちろん、ドラマでもそうです。なんといってもキャラクターを作り込んでいるドラマは面白いです。キャラクターの妙味を特に感じたドラマは、最近ですと坂元さんの「カルテット」でしょうか。
漫画原作を学ばれると、キャラクターの作り方、重要性がよくわかりますから、漫画原作を書くために学ばれることもひとつですが、ドラマのキャラづくりの勉強にもなります。
すべては、地力、自力です。まずは、基本をしっかりとつけていきましょう。