託されたもの
シナリオ。・センター代表の小林です。わあ~、今日で5月も終わりだぁ!!!明日は6月、衣替え。早いですね、1年の半分があっという間に流れていきました。
時の流れは、とても早いです。これから何を遺すのか、今まで何をして来たか・・・そんな来し方を考えさせられる本を読ませていただきました。
先週、ちょっとご紹介させていただいた通信作家集団の山田麗華さんの御著書「リズミーハーツ~タップの父中川三郎から受け取ったもの・中川裕季子の生き方~」(集英社刊)です。
この本は、タップダンスの神様といわれた中川三郎さんの生誕100年を記念して出版されました。山田さんは、裕季子さんからお話を聴きながら、中川一家、中川三郎、中川裕季子さんの生き方をしっかりと活写しています。
臨場感あふれる、戦前戦後の匂いを感じさせながらも、中川三郎さんが命がけで遺してきたタップダンスの奥義を、心を、末っ子の裕季子さんが伝承していきたいという心意気がひしひしと伝わってきました。
裕季子さんが、期待に応えたいと一生懸命頑張る気持ちが、おのずと御本人のバイタリティの源になって、多くの人々の心を動かしていくのでしょう。
その気持ちは、俳優水谷豊さんにまで伝わっています。すごいですね。
私自身も、新井一の遺したものを伝承していこうと努力はしていますが、とはいえ、親子といっても同じ人間ではないので、まったく継承することは叶いません。
ですが、せめてシナリオの技術の本質、心だけでも伝えていけたらと願っています。
裕季子さんも同じようなお気持ちで、ひたすら走り続けていらっしゃるのではないでしょうか。
創作はみなおなじ
中川三郎さんが遺した言葉に、心でリズムを刻む「リズム イズ ハート」という言葉があります。
単にタップを踏むのではなく、心でリズムを刻む、とめどなく刻み続ける心臓の鼓動と同じだといいます。
そのリズムを刻んでいる元の、その鼓動こそがタップそのものだというのです。
創作は、皆同じなのだと思いました。
形だけでは感動を呼びません。そこに心があってこそ、人に初めて伝わるのです。
そして、それは自然に溢れる想い、リズムがあってこそ、人の心に響くのでしょう。
稀代のダンサー中川三郎の心は、娘裕季子へ伝わり、その想いを俳優水谷豊がつないでいこうとしています。
6月17日、水谷豊さんが40年思い続けてきたタップの映画を監督・主演します。
「TAP THE LAST SHOW」が全国東映系にて公開になります。
「相棒」ではない水谷豊さんをお楽しみください。水谷さんの根幹は、山田さんの著書「リズミーハーツ」に描かれています。