沖縄慰霊の日
シナリオ・センター代表の小林です。今日は、沖縄の慰霊の日です。
72年前の沖縄決戦で、旧日本軍の組織的戦闘が終結した日と言われています。
8月15日の終戦記念日も知らない若者が増えている昨今、沖縄慰霊の日をご存知の方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。
日本にとって、戦争は遠い記憶となり、体験された方々もどんどん亡くなられています。
それでも、世界中で戦争は行われています。決して他人事でも関係ないことでもないのです。
沖縄の皆さんの中では、72年後の今も戦争は終わっていません。
日本の70%の基地を引き受け、日本国でありながら占領下と変わらない現実も多々あり続けているからです。
安保法制、共謀罪の成立、憲法改正論議と戦前へと向かいつつある現在、私たちは過去に目をつむることなく、ひどい歴史も事実にも逃げることなくしっかりとみつめていくべきだと思っています。
前を向くには、背景事情を知らないままではいられないのですから。
チュニクルサッテン、ニンダリーシガ、チュクルチュ、ニンダラン
今日、糸満市の平和祈念公園では追悼式が行われました。
95年に元沖縄知事の太田昌秀さんが建立された平和の礎(いしじ)」は、沖縄戦などの戦没者の名を国籍や民間人、軍人区別なく刻んでいます。
総刻銘数は24万1468人となられたそうです。
この「平和の礎(いしじ)」を創られた太田元知事は、先12日、92歳で最後まで「平和」を唱えながら亡くなられましたが、最後の著作として「沖縄鉄血勤皇隊」(高文研刊)を遺されました。
最後の沖縄戦に駆り出された14歳以上の少年兵たちのことを書かれた本です。
ご自身も鉄血勤皇隊の生き残りとして、死地を伝令として走り回り、爆薬を抱えて斬りこみ攻撃して死んでいく少年、爆撃されていく少女を含む沖縄の人々が殺されていくのを目の当たりしてきた方で、沖縄戦の悲惨な歴史を語る語り部としても頑張っていらっしゃいました。
太田元知事が、何かの取材で「沖縄には『チュニクルサッテン、ニンダリーシガ、チュクルチュ、ニンダラン』という言葉あり、それは、他人に痛めつけられても眠ることはできるけれど、他人を痛めつけて眠ることはできないという意味で、沖縄の人の考え方なのです。」とおっしゃっていました。
「平和の礎(いしじ)」には、国籍、敵味方なく刻銘され、太田元知事のおっしゃる沖縄の人の考え方は、ここにも表れている気がします。
沖縄の人のやさしさなのだと思います。
ですが、そのやさしさに、私たちはいつまでもつけこんでいていいのでしょうか。
体験したことのない私たちは、本当のところはまったくわかりません。
でも、様々な方々の背景事情を知ることで想像することはできます。
想像力は他人を想う心です。 想像力を広げること、そのために見聞きすることこそが大切なことだと思います。
まして、もの書きたるものであればなおさら。
安倍首相は追悼式で「米軍基地の集中による大きな負担を担っていただいており、この現状は到底是認できるものではありません。政府として、基地負担軽減のため、一つ一つ確実に結果をだしていく決意です。(略)
これからも『できることはすべて行う』沖縄の基地負担軽減に全力を尽くしてまいります。」と述べられました。
沖縄から基地が無くなるのも、もうすぐです。(?!)