伝える言葉、伝わる言葉
シナリオ・センター代表の小林です。今日は、夕方からFM江戸川でシナリオについてお話させていただきます。
18:00くらいから放送のようです。よかったら聴いてください。ラジオは、顔が出ないので好きです。(笑)
FM江戸川では、プロを600名以上の輩出してきたシナリオの教え方などのお話をさせていただくのですが、まずは、シナリオを描く意義もお話しさせていただけたらと思っています。
シナリオ・センターのミッションは「日本中の人にシナリオを描いてもらいたい」ですから。
シナリオ・センターのミッションは、創設者の新井一が戦争反対を言えずに、大勢に流された自分自身を戦争の加担者として省み続けたことから始まっています。
シナリオを描くことは、人を、社会を、ものごとを俯瞰することができます。
自分とは異なる人物の気持ちを考える「想像力」と相手に伝える「創造力」は、シナリオを描くことで磨かれます。
誰もが、自分を活かしながら、相手のことをも活かすことができる「みんな主人公」の世界だって生み出すことができるのです。
自分の頭で考え、想い、伝える・・・大勢に流されることなく、ひとりひとりがやらねばならないことです。
想いや考え方はいろいろだと思います。そして、伝え方も様々です。
排他的な昨今だからこそ、一様ではないこと、皆違うことを大切にしながら、人間関係を築いていきたいものです。
きよらかな水のように~私たちの1945~
この7月26日から30日まで、ドラマデザイン社さんの元井久美さん(出身ライター)制作のお芝居があります。
「清らかな水のように~私たちの1945~」(ドラマデザイン社公演)
劇場HOPE(JR/メトロ中野駅南口徒歩7分)お問い合わせはドラマデザイン社03-5573-8722(平日12:00~18:00)
ドラマデザイン社さんは、毎年シナリオのインキュベーションをシナリオ・センターの受講生に向けて行ってくださり、李正姫さん、清水友佳子さん、荒井修子さん、柚木麻子さん、水野宗徳さん、大前智里さん等など何人ものデビューに力を貸してくださいました。
今回の元井久美さん制作の舞台は、大変評判が良かったため再演となりました。
舞台は沖縄。
沖縄に修学旅行で来た女子高生のありさとマキは、平和祈念資料館見学をさぼって抜け出した矢先、1945年6月の沖縄にタイムスリップしてしまいます。
そこで、米軍の激しい攻撃から逃げる女子学徒隊と遭遇。リーダーの神里いずみら5名の少女は、雨倉という日本兵と共に行動していました。
年齢は同じなのに、米兵と戦って死のうと誓い合う少女を見て、ありさとマキは「体験学習か何かじゃん」と勘違いするが、それは本物の戦闘だったのです。
お気楽な現代の女の子二人が、沖縄戦と遭遇することで何を失い、何を得て、自分たちの想いを、考えを持つことができるようになるのか。
この舞台では、現代の女子高生と戦時中の女子高生を対比させながら、観客の皆さんとともに戦争について、沖縄について、想いを馳せていきたいと思います。
きらめく青空と碧い海の沖縄には、多くの犠牲が強いられ、たくさんの方が本土を守るための礎にされてきました。
そして、今も尚、沖縄は、戦い続けています。
その事実を、私たちは、素晴らしいリゾート地というだけではなく、日本の70%の米軍基地を持つ沖縄の置かれた立場、本土決戦の礎にされた過去を学び、一緒にそれぞれに考えていけたらと思います。