シナリオは勉強すれば、うまくなる!
シナリオを書いたことはないけれど、書いてみたい!
シナリオをもっと面白く書けるようになりたい!
もしくは、シナリオの技術を学んだ人が、小説家でデビューしたりしているらしい…でも、どうやって?
そんな思いに、ガッツリ答えるコンテンツを、『ひよっこ』の岡田惠和、『おんな城主 直虎』の森下佳子など600名以上輩出のシナリオ・センターが作りました。
取りあげる内容はこんな感じです。
・シナリオって、どうやって学ぶのが効果的なの?
・シナリオを面白くする技術って?
・シナリオの技術が身につくと、小説家にもなれるってホント?
※シナリオの技術がどう役立つのかだけ知りたければ、ここだけお読みください。
シナリオの勉強の基本は、とにかく…書くこと!
シナリオの勉強法で最も大切なのは…
シナリオを書いて、書いて、書きまくる!
これだけです。
とはいえ、やみくもに書いても意味がありません。そのため、シナリオの技術を意識しながら、意図的に面白いシーンを積み上げて行けるように、習作を重ねていく必要があります。
学び方の流れとしては、こんな感じがおススメです。
1)シナリオの技術を理解する
※独学でも講座でもいいと思います。
ご注意頂きたいのは、WEBの情報です。「いやいやいや…」と言うものも多いですから。
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2)シナリオの技術を意識しながら書いてみる
※人間は、本来かなり怠け者のような気がします。
独学の場合は、書くために期限を作ったり、
「誰かにいつまでに書く!」と宣言したりするといいかもしれません。
※独学の場合、シナリオを書くための課題を作るのも難しい点ですね。
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3)書いたシナリオを読んでもらう
※ちゃんと、シナリオを読める人に読んでもらってくださいね。
単に自信と時間とお金を失わないよう注意です。
※ベストは、添削を受けることだと思います。
※シナリオ・センターの講座の流れはこちら シナリオ作家(脚本家)、小説家のプロフェッショナルになるには?
シナリオの技術があなたのドラマを面白くする!
シナリオが書けるようになるためには、とにかく書くこと!
では、どんなことを意識しながら書けば、面白いシナリオが書けるようになるのでしょうか。ちょっと上級テクニックをご紹介します。
・映像的に表現する技術(シャレード)
・構成で面白くする技術
・キャラクターを魅力的にする技術
シナリオの書き方が不安な方は、こちらを参照:脚本家を目指すなら、シナリオの書き方をマスター
映像表現の醍醐味「シャレード」を使いこなせ
シャレードとは、間接表現の意です。簡単に言えば、言葉でなく映像で語らせるということです。
シャレードを使いこなすことができると、一歩上級のシナリオにすることができます。なぜなら、説明をグッと減らすことができるからです。
視聴者が一番なえるもの、さらに言えば、俳優さんにとってもあまり喜ばしくないもの、それが説明セリフです。説明は退屈なので、説明セリフが多いと視聴者は飽きてしまいます。そして、退屈なセリフは俳優さんのテンションも上がりません。
そこで効果を発揮するのがシャレードです。シャレードには、3つあります。
・場所のシャレード
例えば、人気のないお店を表現したければ、店主に「全然客が入らなくてね」とセリフで説明させなくても、【店主が新聞を広げている】、【店内に洗濯物が干してある】、【子どもが座敷で宿題をしている】等、映像でその意味を伝達することができます。
・状況のシャレード
例えば、とある夫婦がケンカをしているという状況を描く時に、「妻と昨晩からケンカ中でね・・・」と夫のセリフで説明してもいいのですが、朝もそのままになった夕食の御膳などを映すだけで説明臭くなくその状況を表現できます。
・人物についてのシャレード
例えば、「君は、几帳面すぎる性格だな」と誰かに言わせてもいいですが、その人物が、綺麗に畳まれた真っ白のハンカチを持っていたら?本棚の漫画本が順番に並んでいたら?…それだけで、キャラクターを描くことができます。
※シャレードのついての詳細は、映像製作者もおさえるべき「シャレード」という脚本理論 をご覧ください。
構成で面白くする技術
構成でドラマが面白くなるのか…というと、難しいように感じるかもしれません。コツは、ドラマの構成である起承転結の機能をそれぞれ掴んだうえで、シナリオを書くことです。構成をイマイチなシナリオは、結局、起承転結で踏まえるべき機能を踏まえていないのです。
ざっくり機能をおさらいしておきましょう。
起:天地人を描く
テーマに対するアンチテーゼを描く
天地人というのは、天:時代・地:場所・人:人物です。これらが描き切れていないと、視聴者はドラマの世界にはいっていくことができません。
承:承はドラマ全体の7割近くを占める部分です。ここでは、事件や事情、事実など主人公に障害をぶつけていきます。障害が大きくなればなるほど、視聴者は感情移入して続きを観たくなります。
ドラマを観ていて「途中で飽きちゃった…」というなら、ここに問題があります。
※詳しくは、起承転結の承は、脚本家の才能の見せどころ をご覧ください。
合わせて、ドラマティックな展開を作る方法 もヒントになりますよ。
転:転はクライマックスです。ここでは、テーマを伝えます。テーマとは作者の伝えたいことです。ただし、テーマを生々しく伝えては興ざめです。「テーマは無言で伝える」。これ、ポイントです。案外、言いたくなっちゃいますから。
※魅力的な転の作り方は、こちらをご覧ください。魅力的なクライマックスシーンの作り方
結:結は、テーマの定着と余韻です。「結」ではドラマはもう終わっていますので、ダラダラと展開していけません。ここで、視聴者の方にどんな余韻を残したいのか、きちんと考えておくことが大切です。
ちなみに、連続ドラマなどの場合は、次回への「期待」という要素が加わってきます。
※合わせてこちらも、ご覧ください。ケツ、見つめよう。「結」を意識するだけで、伝える力が変わる
キャラクターで面白くする技術
キャラクターはとても大事です。むしろいいキャラクターができあげれば、つまらないシナリオを書く方が難しいくらいです。
キャラクターを魅力的にするための技術として押さえておきたいのが、二面性を作るということです。二面性というのは、憧れ性と共通性です。
憧れ性とは、「あぁこんなことできたり、言えたりしたらいいなぁ」と思わず視聴者が思うような部分です。
共通性とは、「なんど、自分と同じじゃないか」と視聴者が自分と重ね合わせる部分です。
とくに、共通性がないと、視聴者はその人物に感情移入することができません。そのため、この共通性を考えるというのがとても大切になってきます。キャラクターを考える時に、履歴を作ることも大切ですが、幹となる憧れ性と共通性を考えることを忘れてはいけません。
※憧れ性と共通性については、こちらにも詳しくあります。脚本を面白くする登場人物の描き方
※このブログは、困った時にいつでも読み返せるようにしておくといいですよ。面白い脚本を書くにはキャラクターとシーンを考える
シナリオの技術は、もっとたくさんあります。シナリオの技術を使えるようになることが目的ではありませんが、技術を意図的に使えるようになることで、面白いシナリオが書けるようになりますよ。
シナリオの技術があれば、何者にもなれる!
シナリオの技術が身につけば、どんなジャンルが書けるようになるのか…
まずは、当然のように映画やテレビドラマの脚本が書けるようになります。
時々、映画とテレビドラマでは、勉強の仕方が違いますか?という、ご質問を頂きます。基本的に、勉強の仕方は変わりません。押えるべき基本は変わらないからです。
実際にいろいろな映画やテレビドラマのクレジットをご覧いただければと思いますが、映画を書かれている方がテレビドラマのシナリオを書いたり、その逆もあります。あまり垣根を意識する必要はありません。
小説家にもなれます。
小説家にもなれます。
ただ残念なことに、シナリオの技術では、小説の特長である文体と視点について学ぶことはできません。ですが、それ以外は学べると言っても過言ではありません。
実際にシナリオの技術を学んで、現在小説家として活躍している方は、たくさんいらっしゃいますから!
※小説の視点については知りたいかは、こちら。シナリオの「三人称多視点」と、小説の「一人称一視点」
アニメシナリオライターにもなれる!
アニメシナリオライターを目指している方も、最近は多いように感じます。アニメにとって、シナリオは絵コンテにするための設計図と言えます。なので、いわゆる実写とは、シナリオの位置づけが異なります。また、アニメーションでは細かい表情などを表現することが難しいという特長があります。
とはいえ、アニメだから実写だからといって、ドラマの基本は変わりません。シナリオの技術は、アニメーションでもいかんなく発揮されます。
※坂口理子さんの公開講座でも、アニメと表現の違いをお話しくださっています。
※広田光毅さんのアニメ講座より アニメの脚本家になりたい人に必要な心得
上記以外にも、オーディオドラマやマンガ原作も書けるようになりますよ。
シナリオが書けない時の対処法
書いて書いて、書きまくっていて…息切れすることもあるかもしれません。
人間だもの。
そんな時は、物語を作る面白さを知った、あの日のことを思い出してみてください。
「えっ?いつだ??」と思いますか?
きっと、記憶にないかもしれません。だって、私たちは、2、3歳のころ、誰に強制されるわけでもなく物語を作っていたのですから。物語を作るって、きっと人間のDNAに刻み込まれた娯楽のひとつなのだと思います。そこ、忘れずに楽しみながら創作しましょう!
※どうしてもスランプらから抜けられないという方は、 楽しく書くことが創作の第一歩 をご覧ください。
※「シナリオ教室on-line」では、皆さんの創作スイッチをオンにするコンテンツを多数用意しております。「あれ?」と思ったらご活用ください。