「営業」と一言でいうけれど、「営業」とは何か?
根本から考えることで、 営業力をつけるには どうすべきなのかというヒントが見えてきます。
営業で大切な視点=お客様にとっての必要性
そもそも営業とは何かと言うと、お客様に商品・サービスを売る行為です。
手順はざっくりと3つだと考えられます。
1)アポイントを取る
2)商品・サービスの情報を伝える
3)決断を促す
この流れで欠かせないのが、お客様が何を必要としているか、という視点です。
営業とは、
・お客様が必要としているモノ・コトを確認し、
・それに対する的確な説明を行い、
・決断をする根拠を示す
と言うことができます。
営業力をつけるには シナリオ!
お客様が何を必要としているか、を軸に営業を組立てるために有効なのが、シナリオです。
シナリオとは、映画やテレビドラマの設計図と呼ばれています。
意外にも、営業との親和性が非常に高いのです。
【シナリオの場合】シーンの会話を組立てる(たとえば、初めてのデートに誘う会話)
【営業の場合】営業トークを組立てる
【シナリオの場合】ドラマ全体の流れを組立てる
【営業の場合】営業全体の流れ
【シナリオの場合】観客の感動を生み出す
【営業の場合】お客様の共感を得る
しかもシナリオには、1000万人の視聴者を惹き込むための表現技術あがります。
シナリオの技術を身につけて、営業でもシナリオを組立てられれば、
・お客様の問題意識を掴むことができる
・お客様に適切な説明をすることができる
・成果が出なかったときの問題点を把握できる
ことができるようになります。
※相手に伝えるコツは、こちら。ケツ、見つめよう。「結」を意識するだけで、 伝える 力が変わる
わかりやすい説明は、説明をしないこと
営業とは、前述の通りお客様に商品・サービスを売る行為なので、お客様に商品・サービスの説明をしなければいけません。そのため、説明力が営業担当者のスキルの一つとして挙げられますよね。
では、説明力とは何か?
説明力とは、商品・サービスをわかりやすく説明する力と言えます。
わかりやすい説明とは、お客様の問題意識、もしくは欲求にとって、商品・サービスがどういいのか、を伝えることです。
ですが、新人の営業担当者の方は、商品知識を叩き込まれ、その知識をお客様に説明する練習をします。そのため、商品説明、サービス説明を一から十まですることが、わかりやすい説明だと誤解してしまいます。
わかりやすい説明をするには、聞く根拠
では、商品・サービスをわかりやすく説明する、とはどういうことでしょうか?
わかりやすい説明をするには、第一に、お客様がどんな問題を解決したいのか、どんな欲求を満足させたいのかを、お客様から聞き出すことが前提となります。
お客様が商品を検討されているようだったら、とにかく説明を始める…ことをしていたら、要注意です。
(※デパート等での「話しかけないでくださいカード」が生まれた原因は、手前勝手な説明をすることが、親切だと思っている販売員が増えたということではないでしょうか。)
お客様が問題意識を聞き出すときのポイントは、二つあります。お客様の「背景」と「事情」を掴むことです。
お客様の「背景」と「事情」とはどういうことでしょうか。
「背景」とは、現在の状態になった理由(例:〇〇ができない、など困っていること)
「事情」とは、これからを見据えたこと(例:〇〇したい、〇〇したくない)
私たちの発する言葉は、その人が持つ「キャラクター(性格)」と「背景」「事情」によって生まれます。
例えば、ドラマでは、登場人物が抱える背景と事情によって、登場人物のセリフ(=言うこと)もリアクション(=やること)も、まったく変わります。
坂元裕二さん脚本のドラマ「カルテット」でも話題になったから揚げ問題がいい例です。から揚げ一つで、登場人物それぞれのリアクションが生まれます。
営業の場面も同じです。お客様には商品・サービスに興味を持った「背景」「事情」があります。それはお客様が発するセリフやリアクションに表れます。
お客様が知りたいのは、「私に必要なこと」
お客様の「背景」「事情」が分かれば、それにあった説明をすることができます。お客様にとってわかりやすい説明とは、説明書のようなヌケ・モレのない説明ではありません。「私にとって必要なこと」を説明してくれることです。
「テストの範囲は、p80~p100 だからな」と言われるよりも、「はい、ここ大切。テストでるよ~」と言われた方が、親切です。
わかりやすい説明とは
・お客様の「背景」「事情」を引き出す
・お客様に「背景」「事情」にそって必要な解決策を説明する
これを繰り返すことです。
そうすることで、お客様に根拠を持って購入を提案することができます。
意図的に会話を組立てることで、商品・サービスを購入してもらうという目的を高い確度で達成できます。
成果が出なかったときの原因分析もできる
意図的に会話が組立てられるようになれば、たとえすぐに成果が出なかったとしても、何が足りなかったのか、論理的に理由を分析できるようにもなります。
「今回はなんとなく響かなかったな…」では、次の一手が見えてきません。
「ご提案した内容が『背景』と『事情』にあっていなかったんだな」
「充分に『背景』と『事情』を引き出すことができなかったんじゃないかな」
といったように、成果が出なかった理由を自分で把握できれば、次の一手が見えてきます。
営業部全体の課題も、見えてきます。