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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

人との違いがドラマを創る

鎌倉川喜多記念映画館「子供のシナリオ映画教室」

大人も子供も同じ

シナリオ・センター代表の小林です。土曜日は、鎌倉川喜多映画記念館にいってきました。「子供のシナリオ映画教室」の上映会でした。
8月、私は案外忙しく土曜日すべて仕事、8月はお休み気分かと思いきや、普段以上に働きました。(笑)
外に行くことが多く、下落合図書館での「超入門シナリオ講座」では大人の方々対象に、川喜多映画記念館での「子どもシナリオ映画教室」では子供対象に、一億人にシナリオを描いていただくために頑張っています。
「色々な年代を教えられるのですね」とよく感心されるのですが、実は大人も子供も教えていることは同じなので、大変でもなく、「え~、こんなことで描けるの?」とどなたもがびっくりするほど、いとも簡単にシナリオを楽しんでいただいています。
大人の方がすぐに描けそうですが、うまく描こうと構える分、子供より劣っております、創造性は。(笑) 困ったもんだ。

もちろん、プロを目指すとなると、基本だけではすみません。
基本は一緒ですが、描きたいものを描きたいように描けばいいのではなく、いかにたくさんの視聴者に楽しんでもらえるか、魅力的に作るかということがプロのシナリオですから、結構難しくなります。

今年の子供シナリオ映画教室は、2作ともホラー。ラストが怖い!
シナリオも監督も撮影も音声も照明などスタッフも、キャストもすべて子どもたちなのですが、大人顔負けの構成です。
どんどんどんどん怖くなっていくんです。撮影手法も凝っていました。(笑)
上映会のインタビューで、監督が「みんなが思っていたようにやってくれなくて苦労した」と。
この監督は小学5年生ですが、テイク10くらい平気で撮り直ししていました。(笑)
毎年、力作を拝見するのは本当に楽しみで、こちらの励みにもなります。
上映会では、親御さんたちとともに「おぅ!」と感嘆の声を上げて終わりました。
親御さんもご自分の子どもの知らなかった才能を発見し、感動してくださいますが、せっかく育っている「想像力」「創造力」をつぶさないように育てていただきたいと切に祈ります。
上映会は例年8月最後の土曜日。
上映会が終わると、今年の夏も終わりだなあとちょっと寂しい気持ちになります。残暑はきついけれど、もう秋なのですね。

24時間テレビ

昨日、洗濯物を畳みながら、見るともなしに24時間テレビを見ていました。
金曜日のミソ帳倶楽部で元衆議院議員の高橋さんが、「淡路阪神大震災の時に国は全く頼りにならなかった」というお話を聞いたばかりでしたので、募金活動やボランティア活動で色々な方々の助けになるのであれば、それは素晴らしいことだなと思いながら見ていました。
ですが、ほとんどが障害のある方が頑張ることで勇気をいただく構成になっていて、その表現方法は難しいなあと思いました。
障害者と健常者というすみわけも表現そのものも私は好みません。
こう言うと語弊はあるかもしれませんが、誰一人健常者ではないと思っているからです。
明日、全盲の田村さんにミソ帳倶楽部でお話をいただきますが、「全盲なのに頑張っている人」ととらえるのではなく、私と違う田村さんの暮らし方、生き方を教えていただくというスタンスでお話をお聴きしたいと思います。

昨今、あまりにも人との分断・差別がひどくなっているだけに、「人は皆違う」という基本のことをわかっていただくには、「24時間テレビ」はとてもいい番組かと思います。
世の中には色々な方が存在している。そして、その一人一人がみんな違う、誰一人同じではない、唯一無二の存在だということを世界中のひとり一人が理解することができれば、争いごとのない世界になるでしょう。
その中で切磋琢磨し合うことは、新しい視点を発見し、新たな何かを生み出すことでしょう。
それぞれの持ち味を活かせばいいし、足りないところは補えあえばいい・・・こう書くと簡単なことなのですが、きれいごとに聞こえるのは、人間には「欲」というものがあって、それが邪魔をするからです。
100%善人の人などいませんし、誰だって自分本位に考えるものだし、神様ですら色々ですものねぇ、まして人間ですから。(笑)

でも、毎回言いますけれど、少なくともシナリオライター、小説家など創作に携わる者は、「人は皆違う」ということを、心にも身体にも叩き込んでいただきたいと思います。
いい人になれということではありません。人の考えや想いを受け入れる余地をもって、物事を見ていきたいと願うだけです。
「人は皆違う」からこそ、多くの素晴らしいものが生まれ、可能性が広がっていくのですから。

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