いごっそうとはちきん
シナリオ・センター代表の小林です。47都道府県シナリオコンクール~47行の物語~、いよいよ余すところ3地区になりました。
今月は四国。
私は、お伺いしたことがあるのは高知のみです。
4年間、高知工科大学で大学生に、高知教育委員会で先生方にもシナリオでキャリアアップの授業を、香美小学校で子供のシナリオ教室を、やらせていただきました。
毎年、桂浜で、毎年坂本龍馬像を見上げ、かつおのたたきを食べ、鮎焼きを食べ、鍋焼きラーメンを食べ、飲む。
お酒は龍馬関係のネーミングが多く「船中八策」「日本を今一度せんたくいたし申候」「海援隊」等など、板垣退助は「自由は土佐の山間から」とかがあり、なんだか嬉しくてネーミングでお土産にしていました。(笑)
高知は、お酒飲みの国らしく、終わった後ご馳走してくださるのは嬉しいのですが、まあよく飲む、食べる。女性もがんがん飲みよくしゃべる。「はちきん」とはよく言ったものです。
日本を変えようとした人たちが生まれたはずだと納得する意気盛んな元気溌剌の「いごっそう」「はちきん」ばかりのようです。
べく杯という穴の開いているおちょこで、飲み干さないと杯を置けないというのは、あまり強くない私は何度も死にました。
なんだか思い出したら、また高知へお伺いしたくなりました。仕事くださ~い。(笑)
47都道府県シナリオコンクール~47行の物語~、ここのところ応募がちょっと減っています。夏枯れですか?暑さ疲れでしょうか?
ま、少ないと受賞する確率は高まっていますけれど。(笑) もっと描いて欲しいです。
47行で、その地方の色、しかもごはんを描くというのは、難しいかもしれませんが、だからこそ名シーンが生まれてきやすい。
なぜなら、その地方のごはんにまつわる人間模様を、そこだけをそこでしか描けないシーンを描けるからです。
月刊シナリオ教室に5月号から、毎月最優秀賞が掲載されています。
ご参考になさって下さい。そして、出身ライターの方々が選ばれた理由をしっかり読んでみましょう。
他人がどう見るかというのは、シナリオライターの場合は忖度ではなく、マーケティングです。(笑)
どんどん描いてみて下さい。募集はあと3地区になりましたが、この47行の物語を描いて描いていくと、シーンとは、見せるということはどういうことかがしっかりと掴めるはずです。
出身地から背景が生まれる
今年は47周年で、47(シナ)リオの年と語呂合わせをして、47都道府県シナリオコンクールを思いついたのですが、ただの思い付きではないのですよ。 根底は「人は皆違う」から始まっています。
様々なところの、様々な人々の暮らしこそが、文化芸術を育てます。
知らない土地に触れたり、知らないことを調べたり、出かけて見たり、話してみたりすることで、そこから自分以外の、半径10メートル圏外のことに触れることができるのです。
NHKの「鶴瓶の家族に乾杯」が大好きなのですが、あの番組を見ていても感じます。
朝ドラ「ひよっこ」は、奥茨城のみね子の物語ですが、みねこの周りに集う人たち、東京赤坂に集う人たちは、東京だったり、岩手だったり、佐賀だったり、富山、山形、福島、青森etcetcです。
登場人物のキャラクターを作るとき、出身地は貴重ですよね。
出身ライターの佐藤万里さんは、月刊シナリオ教室の「先輩のオシゴト」で
「心がけていることは、いてもいなくてもよい人物は描かないこと。
私はアンサンブルという言い方が嫌いなんです。アンサンブルは「役名のない登場人物たち」のこと。でも、名前のない人はいないし、誰もが自分の人生を生きています。
例え、1シーンしか出なくても、役者にとって演じがいのある役を書きたいですね」とおっしゃっています。
47行の物語を描くことは、シーンづくりはもちろんですが、キャラクター作り、背景づくりの大きな力となることでしょう。
まだ、挑戦されていない方、頑張って描いてみてください。