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「作品を通して政治を知る機会が増えれば」~Theミソ帳倶楽部 政治家編より~

元衆議院議員の高橋昭一さん「Theミソ帳倶楽部 職業のひみつ~政治家編~」より

汚職や不倫などのスキャンダルが続出している今の政界。
政治家と聞くと悪いイメージが先行してしまいますよね。

でも、元衆議院議員・高橋昭一さんはこう仰います。
「国会議員は衆議院475名、参議院242名、合計717名います」。

そう考えると、週刊誌などで話題になってしまう議員はごく一部です。
言われてみればそうですよね。
政治家全員が汚職や不倫の問題を抱えているわけじゃないですよね。

とはいえ、本来のあるべき姿で活動されている政治家の皆さんが、日々どんなことをされているのか、知っていますか? もし、政治家を主人公にしたシナリオを書こうと思っても、どんなことに気を付けて書けばいいか、よく分かりませんよね。

そこで今回は、高橋昭一さんをゲストにお迎えして実施した「Theミソ帳倶楽部 職業のひみつ~政治家編~」から、「シナリオで政治家を描くとき、これは特に参考になるのでは!」とわたくし広報・齋藤が感じた部分をご紹介いたします!

議員時代のスケジュール

まずは、政治家のスケジュールについてです。

〇高橋さん:議員時代の主なスケジュールとしては、地元では、早朝から駅に立って朝の挨拶、地域まわり、地域の会合出席、国会でも朝食前から党の部門会議、所属する委員会、本会議、会合出席、陳情対応等があります。分刻みで会合が入ることも…。
基本的に候補者になってから1日フルで休んだ日はゼロ。妻には苦労をかけ通しでした。結局、妻は膵臓疾患で昏睡する一歩手前までいくことに…。“妻孝行”しなければ!と本当に思っています。

元ネタから発想することで作品に深みが出る

凄い過密スケジュールですよね…。
これはシナリオで政治家を描くとき、参考になるのではないでしょうか!

では、政治家を“主人公として”もっと具体的に描くときはどんなことに気を付ければいいか。
高橋さんは、こんな体験もお話ししてくださいました。

〇高橋さん:政治家秘書を描いたある漫画を読んだとき、第一秘書・第二秘書・第三秘書みたいなことが書かれてあったんですけど、実際はそういう呼称はないんですよ。

国会議員に公設第一秘書・公設第二秘書・政策秘書という3つの肩書はあります。でも、県会議員や市会議員に第一・第二・第三なんてつける肩書は公式には存在しないんです。こういう呼称って「一番偉い秘書が第一秘書で、次に偉いのが第二秘書で」と考えてしまいがちだと思うんですが、そういうわけではないんですよ。

ご縁があり、作者の方にお話しさせて頂く機会がありまして、その後も仲良くさせて頂き、その漫画の監修をすることになりました。当時は候補者だったので「監修」のところに僕の名前はありません。でも、選挙参謀のキャラクターが言っているセリフの多くは私のセリフ(笑)。

作者さんがつくるドラマにネタをのっけていったのは僕。それによって、どんどんリアリティが上がっていったのではないか、と思っています。そういうことが大事だと思うんです。必ずしも、「本当のことだけを書かなきゃいけない!」ということではないんですが、元ネタから発想していけば、その作品にだんだん深みが出てくると思うんですよ。

政治への理解を深めるキッカケになれば

そして最後に、高橋さんはこう締めくくりました。

〇高橋さん:政治の世界を俯瞰してみると、ニュースに出ていることもあれば出ていないこともある。政治にまつわるなにがしかのエピソードが、何か作品に残っていくことで、政治に対するイメージや考えが変わったり、政治への興味が広がっていくことがあると思うんですよ。

だから、皆さんが創作をするときに、ちょっとでも引っかかるネタがあったり、分からなくて聞きたいことがあれば、喜んで協力させて頂きたい。政治というネタが、コンテンツの精度をより高めて、社会に何かしらの良い影響を与えて、何か感じて頂いて、政治への理解を深めるキッカケになればいいな、と本当に思っています。そういう趣旨で本日はお話しさせていただきました。

*   *   *
高橋さん、ありがとうございました!
通常、ミソ帳倶楽部では講義の最後に質疑応答を実施するのですが、高橋さんから「出来る限り、ご参加頂いた皆さんのご質問にお答えしたい」と仰って頂き、講義冒頭にたっぷりとご回答していただきました。

高橋さんはもう政治家ではありません。
でも、「政治家として活動した際に経験したことが少しでも役に立てば」という想いから今回このように色々と協力していただきました。

こういった方がいらしてこそ、作品はうまれるんだなと心底感じました。
皆さんもシナリオを書く際、高橋さんのように協力して下さる方との出会いをぜひ大切にしてください。
そして、“元ネタ”をどんどん膨らませて、視聴者がグイグイ引き込まれる作品を作っていきましょう!

プロフィール:高橋昭一(たかはし・しょういち)

1964年兵庫県出身。神戸大学在学中に企画会社を起業。20歳でチーフディレクターとして番組制作を開始。同大学を中退し、企画制作業に従事。数多くの地域活性化イベントを手掛ける。
1995年阪神・淡路大震災に遭遇したことがキッカケとなり政治の世界を目指すことに。2009年~2012年(1期)衆議院議員として活動。2011年に発生した東日本大震災の際も、東日本大震災・党災害ボランティア室事務局長として様々な復旧支援活動に尽力。現在は株式会社プランワークス 代表取締役を務める。

【高橋さんご紹介・おすすめ書籍】
・『官邸応答せよ』(高見 裕一 著/朝日新聞出版)
※朝日新聞出版のサイトはこちらからご覧ください。
 
・『早わかり!国会のしくみ』(集英社版・学習漫画/構成:集 新矢/漫画:宮原 ナオ/監修:土井たか子)※Amazonのサイトはこちらからご覧ください。

シナリオ・センターでは、ライター志望の皆さんの“引き出し=ミソ帳”を増やすために、ちょっと珍しい職業の方をゲストに、その職業ならではのひみつをコッソリ教えて頂く公開講座「Theミソ帳倶楽部 職業のひみつ」を実施しています。世の中には色々な職業がありますよね。もしかしたら、あなたの職業も他の人にとってみれば創作ネタの宝庫かもしれません「こんな仕事あります」「この職業は実はこんなことするんですよ!」という“ひみつ”をお話して頂ける際は是非こちらまでご連絡下さい!

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