ハヤシネマがやってくる
シナリオ・センター代表の小林です。明日土曜日のシナリオ・センターの駐車場には、?????ってかんじの車が止まっていることでしょう。
林海象監督の移動映画館「ハヤシネマ」です。
スクリーンと音響設備を車に乗せて、全国を回ります。明日は、はるばる山形からやってきます。
ミソ帳倶楽部の「林海象監督の達人の根っこ」講演終了後は、移動映画館も体験(18:00~20:00)できます。
明日のミソ帳倶楽部「林海象監督の達人の根っこ」は、林海象監督に、「映像を意識してシナリオを描く」術を教えていただきます。
今年のシナリオ・センター、47(シナ)リオの年では、映像を見せることをテーマに「47都道府県シナリオコンクール~47行の物語~」もどれだけ見せ場を作れるかの勉強をしていただいています。
シナリオは読み物ではありません。
映像にするための道具ですから、見えることを意識せずに物語だけに囚われては、面白い作品になりません。
ストーリーばかりに意識を持って行かずに、キャラクターで見せる、ト書で見せる、柱で見せることを意識して欲しいと思います。
「ミソ帳倶楽部」は、土曜日なので16:30から始まります。 土曜日の講座、ゼミの方も終了後お聴きになれますよ。当日受付もしています。
柱・ト書・キャラクターこそ映像表現
先日、ミソ帳倶楽部に全盲の田村さんがいらしてお話をしてくださったのですが、お話をお聴きしながら「暗くなるまで待って」(1967年)を思い出していました。
古い映画ですが、何度見てもドキドキハラハラします。
永遠の恋人オードリーヘップバーンが主役で、とってもすてきです。
カメラマンのサムが見知らぬ女に押しつけられた人形にはヘロインが隠されており、何も知らないサムの盲目の妻スージー(オードリー)が、人形を奪還しようとする犯罪グループに追われるというストーリーです。
なんといってもドキドキハラハラは、盲目のスージーが、眼が見える敵に追われるところです。
「暗くなるまで待って」の題名通り、部屋の中を暗くすることで敵と対等になるというのが大きな見せ場です。
田村さんの「わたしの普通」をお聴きした時にも、夕暮れ時に照明をつけずにキッチンでお料理を作っていたら、お母様に「もう明かりをつけた方がいいわよ」と言われたお話があり、「暗くなるまで待って」のポイントはこれだなと思いました。
「暗くなるまで待って」のストーリーは、犯罪者に追われるというよくあるサスペンスですが、ハラハラドキドキさせる格段に面白い映画になっているのは、主人公が盲目であること、追いつめられる場所が自宅であること、追いつめられるポイント(ナイショ!)が見事なことです。
ご覧になっていらっしゃらない方は、是非一度ご覧いただきたいです。ドラマの構成もさることながら、オードリーヘップバーンのチャーミングなこと。魅了されます。
田村さんのお話では、今は目の不自由な方でもわかりやすく動ける色々な機器が増えているということなので、50年前の映画とは見せ方も変わるかも知れませんね。
この映画を現代に脚色してみたら・・・?。
そんなことも考えながら、林海象監督の「映像を意識して描くシナリオ」の技術をお聴きいただくとよりお勉強になるかもしれません。
シナリオ・センターの講義の中で、必ず例に出てくる林海象監督の「夢見るように眠りたい」のシーンも見せていただきます。
明日16:30、おいでください。