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しゃれおつなお店や人々が行きかう街、表参道。そこで働くシナリオ・センタースタッフの見たもの触れたものをご紹介します。

脚本家になりたい なら自分の今のやり方を見直すこと

迷いがあるなら、自分見直しタイムを!

何年も書いているのに、脚本家になれない。自分はこれでいいのだろうか…。
こう悩んでしまったら、勉強の仕方や仕事につなげるための戦略を見直す「自分見直しタイム」を設けてみてください。

このアドバイスをしてくださったのは出身ライターの嶋田うれ葉さん。
ドラマ『全力失踪』(NHK BSプレミアム/全8回)の脚本を手掛けられています。

先日、『月刊シナリオ教室』の取材にご協力いただいた際、『全力失踪』にまつわるエピソードやシナリオ・センターの“後輩”に向けたメッセージをいただきましたのでご紹介。脚本家志望の皆さま、ぜひ“先輩”のやり方を参考にしてみてください。

ドラマ『全力失踪』/第7話のクライマックスは何度も修正

〇嶋田さん:見どころは各話ちりばめられているのですが、やはり主人公の・磯山武(原田泰造)が本当に7年間の『完全失踪』を成し遂げるのか否かを見届けてほしいです!

一体、彼が失踪生活で何を得て、何を失ったのか、私もとことん悩みぬいて書きました。毎回、捕まりそうで捕まらない主人公の磯山ですが、ついに第7話で、追いかけて来た妻・聖子と会い、直接対決をします。

一体二人が何を語るのか、7話のクライマックスは何度も書き直しをしただけに思い入れもひとしおです。失踪した夫にぶつける妻・聖子の思い、そしてなぜ失踪したのかを妻に語る、夫・磯山の本音を、ぜひ見ていただけたら嬉しいです。

やみくもに書生き続けるのではなく、
うまくいってなければやり方を変える

〇嶋田さん:このようなコーナーで発言させていただくなんておこがましくて恐縮ですが、私もセンターに通っていた頃は、どうしたらうまくなるのか、プロになれるのか、試行錯誤の連続でした。

習作中、自分に課していたことの1つに、『自分見直しタイム』があります。ただやみくもに書き続けるのではなく、数か月ごとに、勉強の仕方や仕事につなげるための戦略を見直し、「これでいいのか?」と自分を疑い、うまくいっていなければやり方を変えるのです。

シナリオセンターに5年、10年、20年通えばプロになれるかというと、そう甘い世界ではありません。頑張っているのにうまくいかない、もう何年もセンターに通っているのにまだプロになれない……とジレンマを抱えている方は、「今のやり方でいいのか」と自分自身を疑い、見つめ直す時間を持つこともひとつだと思います。

そして、これでいいんだ!と思えたら、自分を信じて『全力疾走』して下さい!!

※嶋田さんに書いていただいたサイン&メッセージもどうぞ!(画像参照↓)
「【一流の種 十年の後】というのは、本科のときに同じクラスだった方が仰っていた言葉です。ずっと大事にしている言葉ですね」と嶋田さん。インタビュー中、人に言われた言葉はどんな言葉であっても、受け止め・咀嚼し・創作に活かしている、その真摯な姿勢がとても印象的でした。

主人公と、主人公とは正反対の登場人物が思いっきりぶつかるクライマックス

ドラマ『全力失踪』第7話のクライマックスについて、嶋田さんが仰っていた、

「失踪した夫にぶつける妻・聖子の思い、そしてなぜ失踪したのかを妻に語る、夫・磯山の本音を、ぜひ見ていただけたら嬉しいです」

――という言葉にもぜひ注目してください。

“自分見直しタイム”の際、「きちんとクライマックスが書けているか」を確認するのも大事だと思うからです。

出身ライターの清水有生さんも、クライマックスに関してこう仰っています。

<僕は、クライマックスシーンとは具体的に言うと「主人公の価値観や生き方が変わる瞬間」だと思っています。脚本は、そこに向かって書いていけばいい。そのためには、主人公とは対極にあるキャラクターの登場人物がいないといけない。対極にいる人が主人公を変えてくれるからです。この2人をどうぶつけて、主人公がどう変わっていくのか。そのビジョンとプランをもたないといけないと思っています>

主人公・磯山の本音と、磯山とは正反対の性格である妻・聖子の本音がぶつかる。

こう聞くだけでもう、とんでもないことが起きちゃう予感がします。
こう感じさせるのが「クライマックス」です。
こういうクライマックス、書けてますか?

ぜひ“自分見直しタイム”のときに、こういったポイントでも自分の脚本をチェックしてみて下さい。

※清水有生さんのコメント詳細はこちらのブログ「魅力的なクライマックスシーンの作り方」をご覧ください。  

 

 

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