文章モードからフィルムモードへ
こんにちは。エンゼル浅田です。あなたのシナリオをパラダイスに導きます。
本書ではカットバックを使ってみてくださいとオススメしていますが、試していただけましたでしょうか?
使ってみた方は、まず何より映像のイメージ力が段違いに変わってきたはずです。しっかりと具体的に、つねに映像をイメージしながらシナリオを書けるようになってきたんじゃないでしょうか。
みなさんは映像をイメージしながら書いているつもりかもしれません。
でも、つねに映像をイメージしているかというと、意外と、そうでもないのです。やはりシナリオは原稿用紙に文章を書いているので、どうしても脳が文章モードになってしまっているんですね。
そもそも私たちが文章を書けるようになるには、実際には存在しないものを脳で考える(認識する)必要があります。
たとえば小さな子どもは「ワンワン、来た」「マンマ、食べる」と言ったりします。二語文と呼ばれているものですが、これが「犬が来た」「ご飯を食べる」と助詞を使えるようになります。この「が」や「を」は、どこにも存在しません。
さらに文章と文章の時間的なつながりや因果的なつながりの把握が必要になります。「やがて」とか「だから」などですが、これも実際には存在しません。存在しないものを脳で考えながら文章を書いているのです。
なので文章を書いていると脳は自然に文章モードになるのです。
脳を意識的に「フィルムに描く」モードにしなければなりません。
最も有効なのは小道具です。小道具を使うことで、つねに具体的に映像をイメージしながら書けるようになります。
そして、カットバックです。カットバックを考えることで、映像と映像やシーンとシーンのつながりや組み合わせを考えることになります。
つまり、時間的なつながりや因果的なつながりなどを文章で考えるのではなく映像で考えるようになるわけです。
というわけで、カットバックをプッシュしてみます。