新作映画『今夜、ロマンス劇場で』が来年2018年2月公開!
課題の20枚シナリオを書くとき、自分の中での“目的”、明確にありますか?
もし、なんとなく書いているのであれば、ちょっとストップ!
こんな“目的”をもって20枚シナリオを書いていた出身ライターのかたがいらっしゃるんですよ。
出身ライターの宇山佳佑さんは「コメディを書く人になる!」ため、20枚シナリオは全てコメディを書かれたとか。
そしてプロデビュー後、テレビドラマ『緊Q不倫速報』、『信長協奏曲』、 『スイッチガール!!』、『主に泣いてます』、『世にも奇妙な物語』(『幸せを運ぶ眼鏡』『嘘が生まれた日』『クイズのおっさん』『貼られる!』)などなど、コメディタッチの作品を沢山書かれています。
先日、『月刊シナリオ教室』の取材で、宇山さんが脚本を担当された新作映画『今夜、ロマンス劇場で』のお話をお聞きした際、こちらのブログ用にコメントをいただいたのですが、その中にも宇山さんならではのエピソードがあります。
このエピソードから、プロになられてからも宇山さんは「〇〇するんだ!」という目的をいつも明確におもちなんだ、ということが分かります。
では、それはどんなエピソードなのか。
映画『今夜、ロマンス劇場で』における宇山さんのコメントとエピソードをご紹介いたします!
Qいちばんの見どころを教えてください
〇宇山さん:『今夜、ロマンス劇場で』は、原作モノの実写映画化が多い昨今では珍しく、オリジナルのラブストーリーです。尚且つ、映画の中からお姫様が出てくる・・・という、日本映画ではあまり見たことのないファンタジーなので、まずはそこを楽しんでいただければ嬉しいです。
映画の中から出てきた美しい王女と、しがない映画青年という、『住む世界の違う二人』の普遍的なラブストーリーであり、そして、彼女は彼に“触れられない”という大きな「枷」もあります。
メールや電話が発達して、ラブストーリーにおける「枷」が作り辛いと言われる昨今、「好きな人に触れたい」という、人の根源的な願いや欲求を断たれた二人の恋模様に注目してほしいです。
ただ、前半は非常にコミカルですので純粋にコメディとしても楽しめると思います。
また、本作が映画をテーマとした作品なので、古今東西の映画のエンターテインメント要素をふんだんに盛り込みつつ、映画に対する我々製作者サイドのリスペクトも込めています。この辺りも注目していただきたいですね。
Q「ココは外せなかった!」というシーンはありますか?
〇宇山さん:予告にもありますが、坂口健太郎さんが演じる健司が、綾瀬はるかさん演じる美雪に、かき氷を「あーん」とするシーンが出てきます。
これはホン打ちの際に、「気恥ずかしいからカットしたい」とプロデューサーたちに言われたのですが、「女の子はみんな坂口君が、あーんをするところを見たいんですよ!
ていうか、僕が見たいんです!だからここをカットするなんて絶対に嫌です!」と語群奮闘した思い出のシーンです。
このコメントを書いていて若干自分に引いていますが・・・、監督も僕があまりに泣きそうに訴えるものだから味方になってくださり、「あのシーンは現場や編集で守ったよ」と打ち上げの時に言ってくださいました。
ほんのわずかなシーンなのですが、ここを守れたのは自分自身を褒めたいです。
※You Tube ワーナー ブラザース 公式チャンネル
映画『今夜、ロマンス劇場で』予告編【HD】2018年2月10日(土)公開
後輩のみなさんへ
〇宇山さん:僕は脚本家としてコンクールで大賞を獲ったこともければ、ゴールデン枠のドラマでチーフライターを務めたこともありません。
それなのになぜ今回このような大きな作品でオリジナルを書かせていただけたのか、未だに不思議です。
僕にチャンスを与えてくださったプロデューサーや、僕のやりたいことを尊重してくださった監督、本当にたくさんの人に支えてもらいました。
脚本家を目指していく中で、挫折することもあるだろうし、自分の筆力のなさに苦しんだり、なかなかチャンスが掴めなくて焦ることもあるかと思います。
しかし、自分を信じてひたむきに鍛錬を積んでいけば、いつか手を差し伸べてくれる人が現れるかもしれません。
そのときに力を発揮できるよう、日々の習作に向き合うことが大切なのではないか、と感じています。
僕自身、まだまだ若輩者でこのようなことを偉そうに語るのはおこがましいのですが、皆さんに負けないようにこれからも努力していきたいと思います。お互いに頑張りましょう!
* * *
宇山さん、ありがとうございます!
宇山さんは「僕は脚本家としてコンクールで大賞を獲ったこともければ、ゴールデン枠のドラマでチーフライターを務めたこともありません。それなのになぜ今回このような大きな作品でオリジナルを書かせていただけたのか、未だに不思議です」と仰っていますが、
コメディを書きたいから、20枚シナリオで徹底的にコメディを書いた宇山さん。
「あーん」というシーンは絶対に外せないと直談判された宇山さん。
いつもどんなときも宇山さんは、「〇〇するんだ!」という“目的”に向かって突き進んでいるからこそ、色々なチャンスを掴めているのでは!!と思ったのですが、皆さんはどう感じましたか?
皆さん、先輩方のやり方をどんどんと取り入れて、20枚シナリオ、頑張っていきましょう!
- 映画『今夜、ロマンス劇場で』2018年2月10日(土)公開
モノクロ映画のヒロインと現実世界に生きる青年。
出会うはずのなかった2人が出会ったら…それはロマンティックで切ない恋のはじまり。
映画監督を夢見る青年・健司(坂口健太郎)は、ある日、通い慣れた映画館のロマンス劇場で1人の女性と出会う。
彼女は健司がずっと憧れていた映画のなかのお姫様・美雪(綾瀬はるか)だった!モノクロの映画の世界からカラフルな現実の世界に飛び出した美雪は、色のついた世界を体験していく。そして次第に惹かれあう2人。しかし、彼女にはある秘密があった……。
“逢いたい”気持ちが奇跡を起こす、ロマンティックで切ないラブストーリーが誕生します。2018年2月10日(土)、全国ロードショー!
出演:綾瀬はるか 坂口健太郎
監督:武内英樹
脚本:宇山佳佑
制作プロダクション:フィルムメイカーズ
配給:ワーナー・ブラザース映画
※公式サイトはこちらからご覧ください!2/23(金)開催 公開講座『Theミソ帳倶楽部~達人の根っこ 脚本家・小説家の宇山佳佑さん 編~』