大人の想像力の欠如
シナリオ・センター代表の小林です。寒さがひとしお身に沁みる毎日です。
子どもの貧困、豊かなはずの日本が先進国35ヶ国の中で9番目にひどいのだそうで、ユニセフからも警告を受けているとか。
2047万人の子どものうち305万人の子どもが貧困にあえいでいるのだそうです。
子どもシナリオ教室に参加する子供たちからは微塵も貧困の影をかんじることもないのですが、子どもの15%近くが貧困とは・・・。
そこいら中にものがあふれている日本に、この時代に、食べるものがないという子どもたちが実際にいるということに驚きを禁じ得ません。
自分の身近なところだけを見ていてはダメだということなのですね。
色々な立場の人がいることをどれだけ想像できるかということが人間性にかかわってくるような気がします。心せねば。
家族を描く
今年最後の募集でしょうか、12月31日締め切り「MBSラジオ脚本コンクール作品募集」。
テーマは「家族」
「家族」は一番小さな集合体です。
その中でどんなドラマが生まれるのか、様々な家族の形が出てくると思います。
身近なテーマだけに反対に難しいかもしれません。
私の周りの家族話題と言えば、一番多いのが親の介護です。
そうすると私の気持ちから描いてしまいがちですが、それだけでは膨らみません。
介護する方、介護される方、それを見ている人、手伝っている人、まわりの兄弟姉妹親戚、友人・・・etcetc
先日、シナリオS1グランプリで準グランプリを受賞された山本奈奈さんは、おじいさんを主役にされました。
まだ20代の山本さんがおじいさんの気持ちを考えられて、とても魅力的な素敵なお話になっていました。
シナリオって、こういうことなのです。
20代の女性が65歳の男性の想いを、生き方を考えて描くのです。
そのためには知ろうとしなければ描けません。
ここが大事で、登場人物すべてのキャラクターを考えること、気持、生き方、考え方を創りあげるということは、あらゆる立場の気持ち、考え方などを知らなくてはならないのです。
よく岡田惠和さんは、「男性なのに女性の気持ちをなんでよくつかめるのだろう」といわれます。実際にきめ細かく女性の気持ちを描かれる・・・男性ですが。(笑)
それにはどうするのか。「他人の話を聞く耳を持つ」ということです。
「聞く耳を持つ」、今、世界中で一番欠けていることかもしれません。
自分の言いたいことは言うけれど、他人の言うことは聞かない・・・そこからは何も生まれない、一歩も進まないのです。
今日の私は、誰の立場を想像しようかしら・・・1日1回、毎日誰かになってみるのもいいかもしれませんね。 「MBSラジオドラマ脚本コンクール作品募集」
ラジオドラマ用シナリオ。60分想定(400字詰め50~55枚)、オリジナル未発表作品。
今年最後のコンクールに賭けてみませんか。年末ジャンボ代わりに。(笑)
来年の明るい光を掴むために。