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代表 小林幸恵が毎日更新!
表参道シナリオ日記

シナリオ・センターの代表・小林幸恵が、出身ライターの活躍や業界動向から感じたことなど、2006年からほぼ毎日更新している日記です。

断ち切れない未練

人はみんな表現者

シナリオ・センター代表の小林です。今週でシナリオ・センターは今年の授業を終了します。いやはや、早い!もう1年が猛スピードで過ぎていきます。
今年は、悲しいことが多い年でした。 さすがの私も乗り越えられない日々が続きました。
親しい人たちが驚くような勢いで天国へと旅立っていきました。
「人の寿命は生まれたときから決まっているんだ」と落語「死神」のようなことを言われることがあります。
そう考えるのは、慰めでもあり、諦めでもあり、達観でもあるかもしれません。
自分の寿命を知っていたら、もっとちゃんとした生き方をしたかも、いやいや自暴自棄になって碌でもない生き方をするかもしれないし・・・。
ま、どう転がってもよくわからないのが、生きているということなのでしょうか。
わかっているのは、長短は違っても誰にも等しくゴールがあるということ。
そして、誰もに継ぐ者がいるということです。どんな小さな形でも、血が繫がっていなくても、その人の生きた形跡が必ず、どこかに。
歴史とはそうして構築されていくわけですから。過去は捨てられないのです。
だからこそ、できうる限り自分らしく自分としての表現していく、どんな形であれ表現していくことが大事だと思います。
誰もが、残りわずかの今年の日々も、来年も再来年も、『表現をする』ということを続けていってほしいと思います。

まだみたい、またみたい

そろそろ連ドラもラストになってきました。先週今週が最終回のピークのようですね。どんどんお気にいりのドラマが終わってしまうのはさみしいです。「ひよっこ」ロスもまだ癒えていないのに。
大河ドラマ「女城主直虎」も昨日が最終回。
直虎の死です。直虎は、亀の笛の音に誘われて、井戸端へ出て行きます。ここをみたほとんどの視聴者の方はあの大人気だったあのカッコいい男どもが迎えに・・と思われたと思います。
ですが、そこに出てきたのは子供時代の亀の丞、鶴丸、龍運丸たち。子供の頃、一番仲良く幸せだったころの時代へ戻って迎えに来させるのが憎い。
小道具だけで、光秀の子どもの命を助け、満たされた死を表現し、継ぐ者へのバトンタッチをみせるうまさに舌を巻きながら、語らないラストを堪能させていただきました。
森下佳子さんは、本当に人の心の襞に忍び込むのがうまい脚本家です。

まとめようとするからでしょうか。
ラストって、ほとんどが大団円しすぎて、案外面白くないものが多いものです。
ラストは余韻、まとめない、心に残す。
そこをうまく表現できると、名残惜しい、まだ見たい、また見たいになるのです。

石を継ぐ者

新井一の一番弟子だった方のお孫さんが絵本作家デビューしました。
継ぐ者はここにも現れました。たけがみたえさん。
「マンボウひまな日」(絵本館刊) たけがみさんは、木版画作家(Mokuhanger)です。
「ある日のこと。びんぼうひまなしのマンボウはとてもひまでした。
そこでマンボウはひまつぶしにマンボウ流ことばあそびを考えたのです。」
びんぼうひまなし→マンボウひまな日(笑)
ね、くすっと笑えるでしょう。大人も子供も楽しめる言葉遊びの絵本です。

たけがみたえの原画展も、ジュンク堂池袋本店7F理工書フロア壁面にておこないます。
12月31日から1月27日まで。
絵本の原画全点を展示し、版画作品の販売もあります。是非、足を運んでみてください。

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