シナリオ・センターの新井です。
久々に、小学校でのキッズシナリオを開催してきました。番町小学校での開催は、毎年恒例。OB冥利に尽きます。実は祖父の新井一もOBです。
キッズシナリオを実施する学年は、毎年5年生です。ちなみに、6年生になるとコピーライター教室があります。これを担当しているのは、伯父の新井巖です。番町小学校では、5年生でシナリオライティング、6年生でコピーライティングを学びます。書く力と創造力を様々な角度から磨いています。
いい学校です。さすが、我が母校。
なぜ、殺したのか!?
そこには、キャラクターに紐づいた動機があった…
「私が殺したのよ!だってあいつは、私の服を笑ったから!!」
子どもたちが書いてくれたシナリオの中から、代表で一人発表してもらいました。代表でといっても、こちらで選んだわけではなく、立候補です。どんなシナリオかと思って聞いていると、ジャンルとしてはサスペンスです。
みんなで楽しく食事をしていると、突然苦しむ青山。そして、死んでしまいます。
警察がやってきて、犯人探しが始まります。
犯人は、サンドイッチを作ったゆうきでした。
そのゆうきの自白のセリフが、上のセリフです。
「服を笑ったくらいで、殺人なんて…子どもの発想だな」と侮るなかれ!
なぜなら、ゆうきのキャラクター設定の中に「洋服好き」というのがあるのです。だから、洋服を笑われたことで、思わず・・・
どうですか?
ちゃんと、そのキャラクターならではの動機が作れていると思いませんか。
しかも、シナリオを書く時間は20分弱。
その20分の時間で、「登場人物のキャラクターを活かして、シナリオを書くんだよ」というアドバイスを基にここまで書き上げたのです。
やります。我が後輩たち。
「マジ、怖いんだけど~」
こんなシナリオもありました。
子どもたちが集まって、夜の学校で肝試し。すると、自撮りした写真を見ると…そこに幽霊が!!
登場人物全員が驚く中で、
「マジ、怖いんだけど~」
と、軽く言い放つけい。なんともお気楽なリアクション。ここにけいのキャラクターが出ています。
ドラマを面白くするポイントのひとつに、登場人物のキャラクターがあります。なぜなら、同じ出来事に対しても、キャラクターによって、アクションもリアクションも変わるからです。
例えば、行進の練習を指導する先生が、厳しい先生なら
「さっさと、並べ!」と命令調で言うかもしれません。
では、やさしい先生ならどうでしょうか。
「さぁ練習するよ~みんな並んで~」と、和やかな雰囲気で言うかもしれません。
ノー天気な先生なら?優柔不断な先生なら?情熱的な先生なら?
ドラマを動かしていくのは、キャラクターです。
まずはココが掴めれば、書くことが苦手だと言っていた子どもたちも、「もう一枚ください」と原稿用紙を要求してきます。
シナリオを書く手が、創造力が…止まらない
シナリオを書く楽しささえ分かってくれば、創造力はどんどん発揮されてきます。最初は戸惑っていた子どもたちも、コツさえつかめばシナリオを書いてしまうのです。
「思ったより、楽しめたぁ~」
なんて、ちょっと生意気そうな男の子が言っていました。
シナリオを楽しみながら、気づいたら、色々なキャラクターの立場になって考えていくことが、なによりも大切です。だって、それは人と人のコミュニケーションの土台ですから!
「相手のことを考えよう!」なんて大人が口やかましく言わなくたって、子どもたちはちゃんと考えられるのです。
大人の方が、ダメかもね。
シナリオ・センターの新井でした。