シナリオ・センターの新井です。
ひょんなきっかけで、2月12日(月)に一般社団法人クラスジャパン教育機構が立ち上げた「クラスジャパン・プロジェクト」の説明会に参加してきました。
クラスジャパン・プロジェクトとは、全国地方自治体連携の「コンソーシアム型ネットクラス」の実現をテーマに活動するプロジェクトで、不登校の小・中学生を『学校復帰』させるために、自宅で学べるネットクラスを創設するのだそうです。
『コンソーシアム』を読んだ瞬間に、思考回路が停止しましたが、クラスジャパンがあれば、学校が嫌になっても、学べる環境は用意しておくよ、ということなのだと思います。
>>公式サイトはこちら:一般財団法人クラスジャパン教育機構
職に就いていない20%の人のきっかけは、不登校
「クラスジャパン・プロジェクト」の目的を説明してくださった専務理事の柴山健太郎さん曰く、就業年齢で職に就いてない方は、57万人に上るそうです。そのうちの20%近い方のきっかけは、不登校だというデータがあるそうです。
※ここら辺の細かいことは、理解が追い付かず、多少聞き漏らしがあるかも
つまり、小中学校で何らかの形で不登校になってしまうと、社会復帰が難しくなってしまうという現実があるのです。それなのに、27年度の長期欠席者(不登校も含む)の数は、小学生が約6万人、中学生が13万人にも上るとか。ちなみに、高校生は約7万人。
「クラス・ジャパン」では、この小中学生、約19万人の子どもたちをネット上で結び、クラスに在籍してもらい、生きる勇気を喚起させるというのです。
『生きる勇気』だなんて…真正面から来られると、ちょっと気恥ずかしい感じもしますが、すでに参画を希望している自治体があり、興味を持っている小中学校も多数あるとのことです。賛同企業もリクルートや学研、DeNAなどネットでの教育に力を入れ始めている企業ばかりです。
不登校の子どもたちに、シナリオだからできることは?
19万人も不登校の子どもたちがいるというのは、とても悲しいことです。
でも、なんかわかる気がします。
誰だって、毎日の学校生活、友人関係って、楽しくやっていてもなんだか疲れてしまうことってあると思うんです。私だってありました。
特に思春期なんて、誰もが不登校になるかならないの紙一重のところを歩いているのではないかと思います。
そんな子どもたちに、シナリオは何ができるだろう。つらつら考えました。シナリオ・センターが実施している「キッズシナリオ」を小学校の出前授業でやると、かなり盛り上がります。しかも、いわゆる勉強ができる子が活躍するとは限らないところが、シナリオの面白いところです。
ひとつは、勉強とかスポールとかとは違った軸を、シナリオは提供できると思います。ある子にとっては、シナリオを通して、人から「すごいね!」って言ってもらえたりするかもしれません。
二つ目に、シナリオの発想は、生きていく上で助けになると思うのです。だって、シナリオライターは、常に自分とは異なる人物たちに想いを馳せ、セリフやト書を書くのですから。
「相手のことを考える」という発想を、シナリオほど簡単に体験できるものはありません。
最後に、シナリオの技術。伝えたい想いを、伝えるための技術がシナリオの中にはあります。自分の思いを、シナリオの技術によって、いまよりも伝えやすくできるはずです。それに、想いをどうにか伝えようともがいた経験は、他の人が伝えようとするその姿勢に、心を砕くことができるのではないかと思います。
想像力が、社会をより良くしてくれる
シナリオ・センターが実施している「一億人のシナリオ。」プロジェクトは、日本中の人にシナリオを描いてもらうことで、日本中の想像力・創造力を豊かにしていきたいという活動です。どこか、通じるところを感じます。
シナリオを通して、社会問題を少しでも解決できたら嬉しいなぁと思います。
事例:幼児から青少年までの発達に課題のあるお子さんや保護者への支援活動をしているI am OKの会で実施したキッズシナリオの様子:子どもたちは書き方が分かれば作りたいドラマがスルン!